“あささむ”の漢字の書き方と例文
語句割合
朝寒100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今年の秋もあわただしく暮れかかって、九月のこよみも終りに近づいた。鴨川の水にも痩せが見えて、河原の柳は朝寒あささむに身ぶるいしながら白く衰えた葉を毎日振るい落した。
鳥辺山心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
が、いたずらに責めるばかりで、何一つ然るべき処置も取らない内に、残暑はまた朝寒あささむに移り変って、とうとう所謂いわゆる華燭かしょくの典を挙げる日も、目前に迫ったではございませんか。
疑惑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
時雨しぐれもやいの朝寒あささむにおびえて鳥肌をたてている、眼ばかり美しい山川の細い白い顔を見ていると、この男は、もう生きて帰ってくることはあるまいという冷酷な感慨がわき
蝶の絵 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)