“騒立”のいろいろな読み方と例文
旧字:騷立
読み方割合
さわだ56.3%
さやだ25.0%
さわぎた12.5%
サワダ6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
織江であろう白鉢巻、白襷した小さい体が、靡きつ揺れつ髪乱れるように、騒立さわだつ芒の原の中を、前後左右によろめいている。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
狐光きつねびかりのその月に、さながら生きて踊るかに、近明ちかあかりしてきほひ舞ふ、かと見れば、また、何か暗く薄かげりして、らぎ止み、らぎ騒立さやだつ。
と、お珊が二度ばかり勧めたけれども、騒立さわぎたつらしい胸の響きに、烏帽子のふさの揺るるのみ。美津は遣瀬やるせなげに手を控える。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
万法蔵院の晨朝ジンテウの鐘だ。夜の曙色アケイロに、一度騒立サワダつた物々の胸をおちつかせる様に、鳴りわたる鐘のだ。イツぱし白みかゝつて来た東は、更にほの暗いれの寂けさに返つた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)