“喧騒”のいろいろな読み方と例文
旧字:喧騷
読み方割合
けんそう87.7%
けんさう3.5%
さざめ1.8%
さわぎ1.8%
どよめき1.8%
どよもし1.8%
テューマルト1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
マレーに固有なその平然さは、周囲の広い喧騒けんそうの中にあってきわ立っていた。四人のかみさんたちが、ある家の戸口で話し合っていた。
外の世界は今雑沓ざつたふ喧騒けんさうとにたされてゐる。併しこゝの事務所はひつそりして倦怠けんたいと無為とが漂つてゐる。
手品師 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
間もなく川の岸へ出た。その岸を私と友人達とは喧騒さざめきながら歩いて行った。すると私の目の前にいた一匹の元気のよい青年の山羊が、水を飲もうとして川へ下りた。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
休暇になつてからの学校ほど伽藍堂がらんどうに寂しいものはない。建物が大きいのと、平生耳を聾する様な喧騒さわぎに充ちてるのとで、日一日、人ツ子一人来ないとなると、俄かに荒れはてた様な気がする。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
喧騒どよめきが公衆のうちに起こって、ほとんど陪審員にまでおよんだ。その男がもはやのがれられないのは明白であった。
わんわんいふ喧騒どよもし、むつとするスチーム
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
最初喧騒テューマルト(Tumult)と書いた紙を被験者に示して、その直後、鉄路(Railroadレイルロード)と耳元でささやくと、その紙片の文字のことを、被験者は隧道タンネルと答えたと云うのですよ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)