“さわが”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
58.3%
8.3%
8.3%
8.3%
4.2%
喋々4.2%
4.2%
騷然4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたくしは踊子部屋の光景——その暗惨あんさんとその乱雑とそのさわがしさの中には、場末の色町いろまちの近くなどで、時たま感じ得るようなゆるやかなあわい哀愁の情味を
勲章 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
翌日、焼芋屋の店をうかがふと彼は例の如く竈前かままえに遊んでゐる。しかし昨夜の事を迂闊うっかり饒舌しゃべつて、家内の者をさわがすのも悪いと思つたから、私は何にも言はなかつた。
雨夜の怪談 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
支那の殖民地に行く時、港々のは恐しいまで廣くして暗く、遠い陸地の方からは、さう云ふ船着きの町にのみきかれる悲しいさわがしい絃歌の聲が、とぎれ/\に流れて來るばかり。
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
しかしそう云う幻覚のほかにも、お蓮の心をさわがすような事件は、現実の世界からも起って来た。と云うのは松もとれない内に、噂に聞いていた牧野の妻が、突然訪ねて来た事だった。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
さわがしたるに依て此方へ召捕めしとり置たり但し吟味致すべきなれども亂心にまぎれなき故今日引渡し遣す尤も由緒ゆゐしよも是有家來ならば隨分ずゐぶんねんを入て療治れうぢ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
引連ひきつれいではしたれどさわがしき所は素より好まねば王子わうじあたりへ立越てかへで若葉わかば若緑わかみどりながめんにも又上野より日暮ひぐらし里などへ掛る時はかれ醉人の多くして風雅ふうがを妨げ面白おもしろからねば音羽通を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その長崎屋、座中の男女が、かまびすしく、喋々さわがしく歓迎の叫びを揚げるのにも、広海屋の笑顔にも、ほとんど無関心に——と、言うよりも、むしうるさげに、座にはいったが
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
先づうれしきここちしてあゆむに、家はもとにかはらであり、人も住むと見えて、古戸ふるどすきより灯火の影もれてきら々とするに、八二こと人や住む、もし八三其の人やいますかと心さわがしく
こゝの女中が持つて來た宿帳の中には吾儕が知つて居る畫家ゑかきの名もあつたので、雜談は復たそれから始まつた。晝の間寂しかつた溪流の音は騷然さわがしく變つて來た。
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)