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騒
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さわが
ふりがな文庫
“
騒
(
さわが
)” の例文
旧字:
騷
それで老母を初め細君娘、お徳までの
着変
(
きかえ
)
やら何かに一しきり
騒
(
さわが
)
しかったのが、出て
去
(
い
)
った
後
(
あと
)
は一時に
森
(
しん
)
となって
家内
(
やうち
)
は
人気
(
ひとげ
)
が絶たようになった。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
わたくしは踊子部屋の光景——その
暗惨
(
あんさん
)
とその乱雑とその
騒
(
さわが
)
しさの中には、場末の
色町
(
いろまち
)
の近くなどで、時たま感じ得るような
緩
(
ゆるや
)
かな
淡
(
あわ
)
い哀愁の情味を
勲章
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
戸を静かに明くれば、物の
騒
(
さわが
)
しき音もなくて、此の二人ぞむかひゐたる。富子、豊雄にむかひて、君
三五三
何の
讐
(
あた
)
に我を
捉
(
とら
)
へんとて人をかたらひ給ふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
沸くが如きその心の
騒
(
さわが
)
しさには似で、
小暗
(
をぐら
)
き空に満てる
雨声
(
うせい
)
を破りて、三面の盤の鳴る石は断続して
甚
(
はなは
)
だ幽なり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
この時、がやがや家の中が
騒
(
さわが
)
しくなって、ちょうど祖母の
柩
(
ひつぎ
)
が出る処であった。
泥
(
ぬか
)
る田圃道を白い幕の廻された柩が、雨風にひらひらと揺られながら行った。
不思議な鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
先生は、かれこれ面倒だったら、また玄関へ来ておれ、置いてやろう、とおっしゃって下さいますけれども、先生のお手許に居ては、なお掏摸の名が世間に
騒
(
さわが
)
しくなるばかりです。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ただ思うさま吹きつくした南風が北にかわる
境
(
さかい
)
めに崖を駈けおりて水を汲んでくるほどのあいだそれまでの
騒
(
さわが
)
しさにひきかえて
落葉松
(
からまつ
)
のしんを噛む
蠧
(
きくいむし
)
の音もきこえるばかり
静
(
しずか
)
な無風の状態がつづく。
島守
(新字新仮名)
/
中勘助
(著)
作者の意はあの下品な
騒
(
さわが
)
しい物音まではまだ辛抱も出来るが、誰れ一人変つた服装をした者のない労働服ばかりの人の群を眺めて居なければならないことは実に不幸であると云つて、文学の平俗化
註釈与謝野寛全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
絶間
(
たえま
)
なく鳴りひびく蓄音機の音も、どうかすると
掻消
(
かきけ
)
されるほど
騒
(
さわが
)
しい人の声やら皿の音に加えて、煙草の
烟
(
けむり
)
や
塵
(
ちり
)
ほこりに、唯さえ頭の痛くなる時分
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
種田の家は或時は
宛
(
さなが
)
ら講中の寄合所、或時は女優の遊び場、或時はスポーツの練習場もよろしくと云う有様。その
騒
(
さわが
)
しさには台所にも鼠が出ないくらいである。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そして広大なるこの別天地の
幽邃
(
ゆうすい
)
なる光線と暗然たる色彩と冷静なる空気とに何か知ら心の奥深く、
騒
(
さわが
)
しい他の場所には決して味われぬ或る感情を誘い出される時
霊廟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
われは唯
自
(
みずか
)
らおのれを省みて心ならずも暗く淋しき日を送りつつしかも
騒
(
さわが
)
し
気
(
げ
)
に
嘆
(
なげ
)
かず
憤
(
いきどお
)
らず悠々として天分に安んぜんとする支那の隠者の如きを崇拝すといふのみ。
矢立のちび筆
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
車の中は頭痛のするほど
騒
(
さわが
)
しい中に、いつか
下町
(
したまち
)
の優しい女の話声も交るようになった。
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
さびしさ悲しさ
騒
(
さわが
)
しさ
枯葉の記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
騒
常用漢字
中学
部首:⾺
18画
“騒”を含む語句
騒擾
喧騒
潮騒
胸騒
物騒
騒立
大騒動
大騒
騒々
騒動
波騒
人騒
騒然
立騒
風騒
空騒
大騒擾
海騒
離騒
一騒
...