さや)” の例文
旧字:
屋根をころげてさや乳繰ちゝくる二羽の雀ぱぱと飛びわかる雪煙立てて
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
のもとに夕餉のさやあらはなるまづしき磯に行けばひもじさ
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
物すごき藪の月夜の時あかりかげるかと見ればさやぐ葉の影
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
風速のまこと三保はやまさやかにさやぎたむ船の多かる
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いよよはやく乱れたばしる霰の玉雀さやげどみもあへなくに
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
この日ごろ近き空地あきちに来てさやぐ軍馬ありけり風の夜寒よさむ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
濃霜置き軍馬入り臥す隣原夜はふかくしてさやぎぬるかも
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
夜のほどろさやぎ立ちゆく音すなり観兵式につらなる馬なり
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
足乳根たらちね下心したにおもへば浜松のさやけきさやぎ空に起れり
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あかあかとさやぎ廻りそ人力車夕日に坐り泣く男あり
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
千羽雀さやぐ田の垂穂波たりほなみ揺れてはろかや夕照ゆふでり寒く
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
やるせなくさやぎいでぬる鳥獣とりけもの
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
たうたうと波さや汐首岬しほくびざき
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
たうたうと波さやぐ汐首岬
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ものあぶるさやぎこもごも
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)