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喙
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くち
ふりがな文庫
“
喙
(
くち
)” の例文
『もう
爲
(
し
)
ないから、
萬望
(
どうぞ
)
話
(
はな
)
して
頂戴
(
ちやうだい
)
な』と
愛
(
あい
)
ちやんは
極
(
ご
)
く
謙遜
(
けんそん
)
して、『二
度
(
ど
)
と
喙
(
くち
)
を
容
(
い
)
れないわ。
屹度
(
きつと
)
そんな
井戸
(
ゐど
)
が
一
(
ひと
)
つ
位
(
くらゐ
)
あつてよ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
『無い筈はないでせう。
尤
(
もつと
)
も
此辺
(
このへん
)
では、戸籍上の名と
家
(
うち
)
で呼ぶ名と違ふのがありますよ。』と、健は
喙
(
くち
)
を容れた。そして
老女
(
としより
)
に
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「だが、万力という奴も愛嬌がねえ。なぜ最初に挨拶をしなかったのだ。それじゃあ怒られても仕方があるめえ」と、松吉が
喙
(
くち
)
を容れた。
半七捕物帳:67 薄雲の碁盤
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
貧しい作男の哀願に、堅く財布の口を締めている養父も、傍へお島に来られて
喙
(
くち
)
を
容
(
い
)
れられると、
因業
(
いんごう
)
を言張ってばかりもいられなかった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
なぜなら、こういう事件に、彼が
喙
(
くち
)
を
容
(
い
)
れる資格はないなんていうことを、ルピック夫人は誰の前でもいいかねないからだ。彼はそれを知っているのである。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
▼ もっと見る
お杉は心も心ならず、
憂慮
(
きづかわ
)
しげに少年の
状
(
さま
)
を
瞻
(
みまも
)
りながら、さすがにこの際
喙
(
くち
)
を
容
(
い
)
れかねていたのであった。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、見ると、黒い
絮
(
わた
)
のような煙の中に怪物の姿があって、それが
尖
(
と
)
んがった牙のような
喙
(
くち
)
と長い爪を見せて、穴から一人の者を
攫
(
さら
)
って煙に乗って空にのぼろうとした。
嬌娜
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
中庭の土に埋め込んだ
水甕
(
みずがめ
)
に金魚を飼っている。Sがたんせいして世話したおかげで無事に三冬を越したのが三尾いた。毎朝廊下を通る人影を見ると三尾
喙
(
くち
)
を並べてこっちを向いて
餌
(
えさ
)
をねだった。
藤棚の陰から
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
答
(
こた
)
へられたが
愛
(
あい
)
ちやんには
愈々
(
いよ/\
)
合點
(
がてん
)
がゆかず、
福鼠
(
ふくねずみ
)
の
饒舌
(
しやべ
)
るがまゝに
委
(
まか
)
せて、
少時
(
しばらく
)
の
間
(
あひだ
)
敢
(
あへ
)
て
喙
(
くち
)
を
容
(
い
)
れやうともしませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「こりゃじい様のいう通り、なにかの見違えではあるまいかのう」と、千枝松は不得心らしい顔をして側から
喙
(
くち
)
をいれた。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『
何有
(
なあに
)
、毎年今日はそれ位なもんでごあんす。』と、十年もこの学校にゐる
土地者
(
ところもの
)
の秋野が
喙
(
くち
)
を容れた。『授業の始まる日になれば、また二十人位ア来あんすでア。』
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
二人の間には、チリの鍋などが火鉢にかけられて、B—は時々笹村に酌をしながら
喙
(
くち
)
を
揷
(
はさ
)
んでいた。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
と少年は傾聴しながら
喙
(
くち
)
を
容
(
い
)
れたり。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「忠一君には大いに意見があるんだそうで、今これから大演説を始めようと云う処へ、あなたが見えたんです。」と、市郎は笑いながら
喙
(
くち
)
を挟んだ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
お作は流産してから、じきに気が遠くなり、そこらが暗くなって、このまま死ぬのじゃないかと思った、その前後の心持を、母親の説明の間々へ、
喙
(
くち
)
を
容
(
い
)
れて話した。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
『
若
(
も
)
し
誰
(
だれ
)
でも
其
(
そ
)
の
説明
(
せつめい
)
の
出來
(
でき
)
たものに』と
愛
(
あい
)
ちやんが
云
(
い
)
ひました、(
此所
(
こゝ
)
少時
(
しばらく
)
の
間
(
あひだ
)
に
大變
(
たいへん
)
大
(
おほ
)
きくなつたので、
誰
(
た
)
れ
憚
(
はゞか
)
る
所
(
ところ
)
もなく
大膽
(
だいたん
)
に
喙
(
くち
)
を
容
(
い
)
れて)、
私
(
わたし
)
は十
錢
(
せん
)
與
(
あ
)
げてよ。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
『敗けてお遣りよ。昌作さんが可哀想だから。』と、見物してゐたお柳が
喙
(
くち
)
を容れた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「もし、瓜生の若旦那」と、吉五郎は
喙
(
くち
)
をいれた。「あなたのお姉さまは……死骸になって江戸川から……」
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『菊池
兼治
(
かねはる
)
と謂ふ奴ぢやないか?』と主筆が
喙
(
くち
)
を容れた。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「どうといっても、私が
喙
(
くち
)
を出す限りでもないが……。」
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「小柳はどうして菊村の娘ということを知っていたんだ」と、半七は
喙
(
くち
)
をいれた。
半七捕物帳:02 石灯籠
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『菊池
兼治
(
かねはる
)
と謂ふ奴ぢやないか?』と主筆が
喙
(
くち
)
を容れた。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
母親もほどきものをしていた手を休めて、
喙
(
くち
)
を
容
(
い
)
れた。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「墓をあばきに行ったんじゃありませんか。」と、僕は中途から
喙
(
くち
)
をいれた。
マレー俳優の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『
可
(
え
)
がべす、
老爺
(
おやぢ
)
な。』とお八重も
喙
(
くち
)
を容れた。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
お銀はやはり顔をしかめながら聞いていると、お新がそばから
喙
(
くち
)
を出した。
有喜世新聞の話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
お銀はやはり顔をしかめながら聞いていると、お新がそばから
喙
(
くち
)
を出した。
探偵夜話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「十七八の、色白の可愛らしい娘じゃあねえか」と、半七は
喙
(
くち
)
を容れた。
半七捕物帳:22 筆屋の娘
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「おまえさん、呼んでみればいいのに……」と、お徳は
喙
(
くち
)
を容れた。
半七捕物帳:44 むらさき鯉
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「やっぱり坐っていたか。」と、堀口は思わず
喙
(
くち
)
をいれた。
妖婆
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「なぜでしょう。」と、わたしは思わず
喙
(
くち
)
をいれました。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「その悪い奴は女ですかえ」と、半七は、
喙
(
くち
)
を容れた。
半七捕物帳:66 地蔵は踊る
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「まあ、堪忍してくんねえ」と、半七は
喙
(
くち
)
をいれた。
半七捕物帳:68 二人女房
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それで、わたしは話の中途から
喙
(
くち
)
をいれた。
探偵夜話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“喙(くちばし)”の解説
くちばし(嘴、喙、觜)とは、鳥類他の採食器官で、上下の顎が突出し、口周辺がひと繋がりの角質の板によって硬くなったもの。頭部の他の部分から滑らかに続くものもあるが、鳥類ではその間に区別がある。唇のような柔軟性がないが、硬いために突くなどする際には効果が大きい。一般には鳥のそれを指す。
(出典:Wikipedia)
喙
漢検1級
部首:⼝
12画
“喙”を含む語句
容喙
口喙
吻喙
喙木鳥
喙長魚
御喙容