千年あまりも前に、我々の祖先の口馴れた「ある」と言ふ語がある。「産る」の敬語だと其意味を釈き棄てたのは、古学者の不念であつた。私は、ある必要から、万葉集に現れたゞけの「ある」の意味をば、一々考へて見た処、どれも此も、存在の始まり、或は続きと …
著者 | 折口信夫 |
ジャンル | 社会科学 > 風俗習慣・民俗学・民族学 > 風俗史・民俗誌・民族誌 |
初出 | 「土俗と伝説 第一巻第一・二号」1918(大正7)年8月、9月 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約18分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約30分(300文字/分) |