“行方知”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆきかたし25.0%
ゆきがたし25.0%
ゆくえし25.0%
ゆくへし25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
泊り合わせたその宿の若い内儀が夕方近くからにわかに行方知ゆきかたしれずになったとやらで、それがよくよく人相など聞いて見ますると、崖ぶちから身を投げたあの女にそっくりそのままで厶りましたのでな
十万石の怪談 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
先まで見渡すと、鉄色の筋が二本えない草の中を真直まっすぐつらぬいている。しかし細い筋が草に隠れて、行方知ゆきがたしれずになるまで眺め尽しても、建物らしいものは一軒も見当らなかった。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「旦那様方は御承知ないんでございますか知ら、ここの屋敷の大先生おおせんせいというのは、とうにおなくなりになっておしまいなさったし、若先生は行方知ゆくえしれずになっておしまいなすったのでございますから……」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
轆轤首ろくろくびさ、引窓ひきまどからねてる、見越入道みこしにふだうがくわつとく、姉様あねさまかほ莞爾につこりわらふだ、——切支丹宗門キリシタンしうもんで、魔法まはふ使つかふとふて、おしろなかころされたともへば、行方知ゆくへしれずにつたともふ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)