行懸ゆきかか)” の例文
と気軽に飛出し、表門の前を足早に行懸ゆきかかれば、前途むこうより年わかき好男子の此方こなたに来懸るにはたと行逢いけり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かくて狸穴まみあなほとりなる狭隘路せまきみち行懸ゆきかかれば、馬車の前途ゆくてに当って往来の中央まなかに、大の字に寝たる屑屋くずやあり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
倉瀬泰助は旅店を出でて、雪の下への道すがら、一叢ひとむら樹立こだちの茂りたる林の中へ行懸ゆきかかりぬ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
尼様が上框あがりかまちまで送って来て、分れて出ると、戸を閉めたの。少し行懸ゆきかかると、内で
清心庵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)