“ゆきがか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
行掛55.6%
行懸44.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
翌朝五百は貞固をうて懇談した。大要はこうである。昨日さくじつおおせは尤至極である。自分は同意せずにはいられない。これまでの行掛ゆきがかりを思えば、優善にこの上どうして罪をあがなわせようという道はない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
行掛ゆきがかじょう私は静子の相談相手であり、保護者の立場にあった。
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
矢島優善やすよしは、陸が文一郎のさいになった翌月、即ち十月に、土手町に家を持って、周禎のもとにいた鉄を迎え入れた。これは行懸ゆきがかりの上から当然の事で、五百ははたから世話を焼いたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「——気がしたから、私は話すまい、と思った。けれども、行懸ゆきがかりで、揉消もみけすわけにも行かなかったもんだから、そこで何だ。途中で見たものの事を饒舌しゃべったが、」
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)