うれう)” の例文
喜憂栄辱は常に心事にしたがって変化するものにして、そのおおいに変ずるにいたっては、昨日のえいとして喜びしものも、今日はじょくとしてこれをうれうることあり。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
けれどもその心配はたゞ普通の親が其子の上をうれうるのとはちがって居たのです、それで父が『折角男に生れたのなら男らしくなれ、女のような男は育て甲斐がいがない』
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
方今ほうこん、世の識者が小学校の得失を論じ、その技芸の教授を先にして道徳の教を後にするをうれうる者なきに非ず。たとえば、天文、地理、究理、化学等は技芸なり。孝悌忠信は道徳なり。
小学教育の事 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)