トップ
>
河童
>
かつぱ
ふりがな文庫
“
河童
(
かつぱ
)” の例文
「あの人の目はきよろ/\してをつて、をかしいやうだ」とか、「
河童
(
かつぱ
)
のやうに、何であんなに髮の毛を延ばしてをるんだろ」
泡鳴五部作:01 発展
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
「それぢや訊くが、喜三郎が船から落ちた時、もう一度船に這ひ上がらうとした筈だ。
河童
(
かつぱ
)
と言はれた喜三郎が、そんなに手輕に
溺
(
おぼ
)
れる筈はない」
銭形平次捕物控:201 凉み船
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
奉公人がすぐにあの野郎を、ぐるぐる巻にふん縛つて、まるで生捕りました
河童
(
かつぱ
)
のやうに、寄つてたかつて二階から、引きずり下してしまやがつた。
鼠小僧次郎吉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私が八歳の幼時、春風が
戸障子
(
としやうじ
)
をゆすぶる日の
黄昏
(
たそがれ
)
近くであつたが、戸口の障子を開けると、赤い
紐
(
ひも
)
の
甲掛草履
(
かふがけざうり
)
を
穿
(
は
)
いたお
河童
(
かつぱ
)
の雪子が立つてゐた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
おさわは同じ船頭仲間の
河童
(
かつぱ
)
の
大公
(
だいこう
)
と呼ばれてゐた、眼が円くて口が尖んがつた男の妹であつた。おさわは左の眼が髑髏のやうにへこんだ独眼であつた。
泥の雨
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
▼ もっと見る
一體
(
いつたい
)
、
水
(
みづ
)
と
云
(
い
)
ふものは、
一雫
(
ひとしづく
)
の
中
(
なか
)
にも
河童
(
かつぱ
)
が
一個
(
ひとつ
)
居
(
ゐ
)
て
住
(
す
)
むと
云
(
い
)
ふ
國
(
くに
)
が
有
(
あ
)
りますくらゐ、
氣心
(
きごころ
)
の
知
(
し
)
れないものです。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
がそのうちに、武助さんがぽかりと
河童
(
かつぱ
)
のやうに頭を出して、舟の方へぬきでを切つた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
この
正本
(
せいほん
)
さへ引揚げてあれば、間貫一いくら
地動波動
(
じたばた
)
したつて『
河童
(
かつぱ
)
の皿に水の
乾
(
かわ
)
いた』
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
田村俊子
(
たむらとしこ
)
、
岡田八千代
(
をかだやちよ
)
、
與謝野晶子
(
よさのあきこ
)
、
等々
(
とう/\
)
、
皆
(
みな
)
振
(
ふる
)
はない
中
(
うち
)
に、たゞ
一人
(
ひとり
)
、
時雨女史
(
しぐれぢよし
)
が、
三宅
(
みやけ
)
やす
子
(
こ
)
、
宇野千代
(
うのちよ
)
、
平林
(
ひらばやし
)
たい
子
(
こ
)
などの
若
(
わか
)
い
人
(
ひと
)
以上
(
いじやう
)
に、お
河童
(
かつぱ
)
の
女
(
をんな
)
の
中
(
なか
)
に
餓鬼大將
(
がきだいしやう
)
として
長谷川時雨が卅歳若かつたら
(旧字旧仮名)
/
直木三十五
(著)
五五 川には
河童
(
かつぱ
)
多く住めり。猿が石川ことに多し。松崎村の川端の家にて、二代まで続けて河童の子を
孕
(
はら
)
みたる者あり。生まれし子は斬り刻みて一升樽に入れ、土中に埋めたり。
遠野物語
(新字旧仮名)
/
柳田国男
(著)
明治の初年にわたくしは桜木天神の神楽殿に並んだ裏二階に下宿してゐたが、当時の薬師の縁日は猶頗殷盛であつた。わたくしは大蛇の見せもの、
河童
(
かつぱ
)
の見せものを覗いて見たことを記憶してゐる。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
さんだんにうねりてみゆるお
河童
(
かつぱ
)
の髪ゆりていまし
駆
(
かけ
)
りくるかな
小熊秀雄全集-01:短歌集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
河童
(
かつぱ
)
が
瘠馬
(
やせうま
)
未刊童謡
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
と
野天
(
のてん
)
藝人を一々立つて見た上、今度は足藝と
河童
(
かつぱ
)
、ろくろ首に大蛇の鹽漬、といつた小屋掛の見世物を覗いて、一
刻
(
とき
)
ばかり後には、鳥娘の
繪看板
(
ゑかんばん
)
の前に
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
河童
(
かつぱ
)
の考証は
柳田国男
(
やなぎだくにを
)
氏の
山島民譚集
(
さんたうみんたんしふ
)
に尽してゐる。
御維新前
(
ごゐしんぜん
)
は
大根河岸
(
だいこんがし
)
の川にもやはり河童が住んでゐた。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
夜
(
よる
)
は
風呂
(
ふろ
)
ふき、
早
(
は
)
や
炬燵
(
こたつ
)
こひしきまどゐに、
夏
(
なつ
)
泳
(
およ
)
いだ
河童
(
かつぱ
)
の、
暗
(
くら
)
く
化
(
ば
)
けて、
豆府
(
とうふ
)
買
(
か
)
ふ
沙汰
(
さた
)
がはじまる。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
河童
(
かつぱ
)
に見込まれないものでもあるめえ、惡いことは言はないから、さつさと家へ歸るが宜い——とね
銭形平次捕物控:178 水垢離
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
船藏
(
ふなぐら
)
がつい
近
(
ちか
)
くつて、
安宅丸
(
あたかまる
)
の
古跡
(
こせき
)
ですからな。いや、
然
(
さ
)
ういへば、
遠目鏡
(
とほめがね
)
を
持
(
も
)
つた
氣
(
き
)
で……あれ、ご
覽
(
ろう
)
じろ——と、
河童
(
かつぱ
)
の
兒
(
こ
)
が
囘向院
(
ゑかうゐん
)
の
墓原
(
はかばら
)
で
惡戲
(
いたづら
)
をしてゐます。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
僕は
船端
(
ふなばた
)
に立つたまま、鼠色に輝いた川の上を見渡し、確か
広重
(
ひろしげ
)
も
描
(
か
)
いてゐた
河童
(
かつぱ
)
のことを思ひ出した。河童は明治時代には、——少くとも「
御維新
(
ごゐしん
)
」前後には
大根河岸
(
だいこんがし
)
の川にさへ出没してゐた。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「お、危ねえ。俺は
河童
(
かつぱ
)
の眞似は
得手
(
えて
)
ぢやねえから、飛込まれたら最後見殺しにしなきアならねえ」
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
潟
(
かた
)
とも
湖
(
みづうみ
)
とも
見
(
み
)
えた……
寧
(
むし
)
ろ
寂然
(
せきぜん
)
として
沈
(
しづ
)
んだ
色
(
いろ
)
は、
大
(
おほい
)
なる
古沼
(
ふるぬま
)
か、
千年
(
ちとせ
)
百年
(
もゝとせ
)
ものいはぬ
靜
(
しづ
)
かな
淵
(
ふち
)
かと
思
(
おも
)
はれた
圓山川
(
まるやまがは
)
の
川裾
(
かはすそ
)
には——
河童
(
かつぱ
)
か、
獺
(
かはうそ
)
は?……などと
聞
(
き
)
かうものなら、はてね
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「今ではもう
河童
(
かつぱ
)
もゐないでせう。」
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「川なら大丈夫で。
河童
(
かつぱ
)
の申し子と言はれた若旦那ですよ、今に龍宮からお土産を持つて來ますぜ」
銭形平次捕物控:201 凉み船
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
河
(
か
)
、
河
(
か
)
、
河童
(
かつぱ
)
ですか。」
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「——驚くでせう、近頃は主人の玄龍先生お近と親しくなつて、内儀の
嫉妬
(
やきもち
)
は大變だつたさうですよ。あの二人の女は昔の
朋輩
(
ほうばい
)
には違ひないが、どうせ水商賣の女
河童
(
かつぱ
)
で——」
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
調べて見るとお樂は房州生れの
河童
(
かつぱ
)
で、水で死ぬやうな女ではありません。
銭形平次捕物控:024 平次女難
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「死んだ七平なんぞと來た日にや、
河童
(
かつぱ
)
見たいなもので」
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
河童
(
かつぱ
)
を水に突落す奴もねえものだ」
銭形平次捕物控:304 嫁の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“河童”の解説
河童、猳𤡓(かっぱ)は、日本の水の妖怪。水神、またはその依り代、またはその仮の姿ともいう。鬼、天狗と並んで日本の妖怪の中で最も有名なものの一つとされる。関連する有形の遺物としては、各地に河童神社、河童塚(鯨塚、道具塚と同じ)がある。
類縁にセコなどがいる。
(出典:Wikipedia)
河
常用漢字
小5
部首:⽔
8画
童
常用漢字
小3
部首:⽴
12画
“河童”で始まる語句
河童頭
河童橋
河童坂
河童路地
河童党
河童共
河童捕
河童権
河童連
河童髪