“安宅丸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あたかまる57.1%
あたけまる42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、こう、短気になった雲霧が、その仕事を深川の御船蔵につないである将軍家の安宅丸あたかまるに眼をつけて、入ったのが、失敗だった。
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それからというもの、小金馬は八十八夜も待たずして、「安宅丸あたかまる」のカッパの吉蔵のように、「五井へ行こう、五井へ行こう」という。
江戸前の釣り (新字新仮名) / 三遊亭金馬(著)
御船蔵につないでおいた安宅丸あたけまるが、鎖を切ってひとりで三崎まで流れていったためしもあるんだから、ちょっと細工さえすりゃア雑作ぞうさなくやれそうだ。
顎十郎捕物帳:13 遠島船 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
蘇鉄そてつが妙国寺へ行こうといい、安宅丸あたけまるが伊豆へ行こうといった昔話を、今さら引合いに出すわけにもゆくまい。
(新字新仮名) / 岡本綺堂(著)