“獺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かわうそ65.1%
かはうそ12.7%
かはをそ6.3%
かわおそ4.8%
うそ3.2%
おそ3.2%
をそ3.2%
だつ1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところがそれからまた二日置いて、三日目の暮れ方に、かわうそえりの着いた暖かそうな外套マントを着て、突然坂井が宗助の所へやって来た。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
車夫のかく答へし後はことば絶えて、車は驀直ましぐらに走れり、紳士は二重外套にじゆうがいとうそでひし掻合かきあはせて、かはうそ衿皮えりかはの内に耳より深くおもてうづめたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
毎晩廊下へ出して置く、だいものの残りがなくなるんですよ。かはをそが引いてくんですつて。昨夜ゆうべも舟で帰る御客が、提灯ちやうちんの火を消されました。
動物園 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
うぐいはやごりの類は格別、亭で名物にする一尺の岩魚いわなは、娘だか、妻女だか、艶色えんしょく懸相けそうして、かわおそくだんの柳の根に、ひれある錦木にしきぎにするのだと風説うわさした。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
寒中でもやはり湯巻き一つで、紛々と降りしきるみぞれの中を、まるで人面のうそのように、ざぶりと水へはいると云うじゃありませんか。
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
してみると、おなじおそでも山獺が持参するので、伝説は嘘でない。しかし、お町の——一説では、上流五里七里の山奥から山爺は、——どの客にも言うのだそうである。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うつくしきひとの、葉柳はやなぎみのたる忍姿しのびすがたを、落人おちうどかとれば、あにらんや、あつ情思おもひ隱顯ちら/\ほたるすゞむ。きみかげむかふるものは、たはれをそか、あらず、大沼おほぬまこひ金鱗きんりんにしてひれむらさきなるなり
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ていしきりふたゝんことをほつしてつひ如何いかんともすることあたはず。侍中じちうすゝんでいはく、だつ鯔魚しぎよたしむ、ねこにまたゝびとうけたまはる。しんねがはくはこれくせんと、いたゑがいて兩生りやうせい鯔魚しぎよをどらし、きしけてみづうかゞふ。
聞きたるまゝ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)