かわおそ)” の例文
うぐいはやごりの類は格別、亭で名物にする一尺の岩魚いわなは、娘だか、妻女だか、艶色えんしょく懸相けそうして、かわおそくだんの柳の根に、ひれある錦木にしきぎにするのだと風説うわさした。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大方おおかたこうを経たかわおそにでもだまされたのであろう。』などとわらうものもございました。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
六条むすじ、皆赤い蛇に悩まさるる、熱の譫言うわごとを叫んだという、その、渠等かれらに懲罰をたまわった姫神を、川裳明神と聞いて、怪しからんことには——前刻さっきも申した事ですが、私もかわおそだと思って
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)