かはをそ)” の例文
毎晩廊下へ出して置く、だいものの残りがなくなるんですよ。かはをそが引いてくんですつて。昨夜ゆうべも舟で帰る御客が、提灯ちやうちんの火を消されました。
動物園 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
男はかはをその怪であつたと云ふのである。渋江保さんは此話を母五百に聞き、後又兄矢島優善やすよしにも聞いたさうである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
が、でゝてもしづくわからぬ。——あめるのではない、つき欠伸あくびするいきがかゝるのであらう……そんなばんにはかはをそけるとふが、山国やまぐにそれ相応ふさはぬ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が若かりし時水村すゐそんの一農夫のうふ、寒あけてのちかはをそのとりたるさけうばひ、これをくらひてねつになやみ、三日にして死たる事あり、さればたゝりあるといふ口碑かうひせつしゆべからず。
かはをそ
動物園 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)