仕懸しかけ)” の例文
鼻にかけて我々を見下し不孝の事のみ多く其上下女などに不義ふぎ仕懸しかけ何一ツ是ぞと云取處とりどころなく斯樣かやうの者に家を渡す事は勿論もちろん忠八にいとま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
戦争と名のつくものゝ多くは古来から大抵んなものかも知れないが、ことに今度の戦争は、その仕懸しかけの空前に大袈裟おほげさだけ
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そこに居て壁を押せば、縦三尺幅四尺向うへ開く仕懸しかけにて、すべての機械は人形に、隠るる仕方巧みにして、戸になる壁の継目など、肉眼にては見分け難し。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「王命です。——戦場に着いても、かならず軽々しく仕懸しかけるな、敵を浅く見るな。敵将関羽は、智勇兼備の聞えある者。くれぐれも大事をとって仕損じるなかれ——とのおことばでありまする」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
上部に鉄の格子こうし穿けて中央の孔から鉄砲を打つと云う仕懸しかけの後世のものでは無論ない。いずれの時、何者がきたえた盾かは盾の主人なるウィリアムさえ知らぬ。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
傍邊かたはらに聞居たりし後藤は彌々いよ/\立腹りつぷくし夫は如何にも油屋の奴輩やつばら不屆ふとゞきなり何にしても其久兵衞といふやつ惡者わるものに相違なし主從しゆじうしてよめ不義ふぎ仕懸しかけるとは大膽不敵だいたんふてきなり其上離縁状りえんじやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
取る事出來ずと云ふをかたはらより一人が往手の道に立ちふさがいやなら否で宜事いゝことなりつかれるとがは少しもなし何でも荷物をかつがせてもらはにや成らぬとゆすり半分喧嘩けんくわ仕懸しかけに傳吉は何とか此場を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)