しか)” の例文
されどもくその萌芽を出して立派に生長するとしからざるとは、単に手入れの行届くと行届かざるとにるなり。即ち培養ていれの厚薄良否に依るというも可なり。
家庭習慣の教えを論ず (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
何となれば二学士は行為なき、人物なきの小説を作れと言ふものと一般なればなり。しからざれば二氏は木偶泥塑を以ツて完全なる小説を作れと命ずる者と一般なり。
罪過論 (新字旧仮名) / 石橋忍月(著)
しかし近衛の方から言へばややわれらを食客視したるかしからざれば部下の兵卒同様に師団の着広と共にわれらはその命のままになるものの如く思惟しいしたるなるべし。
従軍紀事 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)