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仕掛
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しか
ふりがな文庫
“
仕掛
(
しか
)” の例文
段々
(
だん/″\
)
と
馴
(
な
)
れて來るに從ツて、お房は周三に種々な話を
仕掛
(
しか
)
けるやうになツた。而ると其の
聲
(
こゑ
)
がまた、周三の心に淡い
靄
(
もや
)
をかけた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
そして自分の好きなそのぴかぴかした赤いものにひかされて、そこへ落ちようとしかけましたが、
仕掛
(
しか
)
けがしてあることを思い出しました。
雷神の珠
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
こないだっから
仕掛
(
しか
)
けて居たものが「つまずい」て仕舞ったのでその事を思うと
眉
(
まゆ
)
が一人手に
寄
(
よ
)
って気がイライラして来る。
秋風
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
これはてっきり綾子夫人が毒を
仕掛
(
しか
)
けたレモナーデを飲ませたせいであると思い、忽ち夫人に飛びかかって壁際に押しつけはしたものの、其の時
赤耀館事件の真相
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
私
(
わし
)
が
拵
(
こさ
)
へものと
思
(
おも
)
ひながら、
不気味
(
ぶきみ
)
がつて、
何
(
なに
)
か
魔
(
ま
)
の
人
(
ひと
)
が
仕掛
(
しか
)
けて
置
(
お
)
く、
囮
(
おとり
)
のやうに
間違
(
まちが
)
へての。
谿河
(
たにがは
)
を
流
(
なが
)
す
筏
(
いかだ
)
の
端
(
はし
)
へ
鴉
(
からす
)
が
留
(
と
)
まつても
気
(
き
)
に
為
(
す
)
るだよ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
性質からいうと、Kは私よりも無口な男でした。私も多弁な方ではなかったのです。しかし私は歩きながら、できるだけ話を彼に
仕掛
(
しか
)
けてみました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
成
(
な
)
るほど世界は鬼ばかりでない、
是
(
こ
)
れまで外国政府の
仕振
(
しぶり
)
を見れば、日本の弱身に付込み日本人の
不文
(
ふぶん
)
殺伐なるに乗じて無理難題を
仕掛
(
しか
)
けて真実
困
(
こまっ
)
て居たが
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
彼
(
かれ
)
は、この
鉄
(
てつ
)
と
銀
(
ぎん
)
とからできた、
一筋
(
ひとすじ
)
の
線
(
せん
)
をオルガンの
中
(
なか
)
に
仕掛
(
しか
)
けました。すると、このオルガンは、だれがきいても、それは、
愉快
(
ゆかい
)
な
音
(
ね
)
が
出
(
で
)
たのであります。
楽器の生命
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
……面白いだろう、明日の午後二時頃には、もういちどその男が、店へ来ることに
仕掛
(
しか
)
けたのだから……
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かんたんな
仕掛
(
しか
)
けをかんがえ出した者があって、それが
商
(
あきな
)
い物などを売りあるくのに、かるいとくらべるとひじょうに便利なもので、利用する者が多かったのである。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
日
(
ひ
)
に
一萬三千人
(
いちまんさんぜんにん
)
の
首
(
くび
)
を
刎
(
は
)
ねたりと
呼
(
よ
)
ばるゝ、
世
(
よ
)
にも
恐
(
おそ
)
るべき
斬頭刄
(
ギラチン
)
の
形
(
かたち
)
に
髣髴
(
ほうふつ
)
たる、
八個
(
はつこ
)
の
鋭利
(
えいり
)
なる
自轉伐木鉞
(
じてんばつもくふ
)
との
仕掛
(
しか
)
けにて、
行道
(
ゆくて
)
に
塞
(
ふさ
)
がる
巨木
(
きよぼく
)
は
幹
(
みき
)
より
鋸
(
ひ
)
き
倒
(
たほ
)
し
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
車室
(
しゃしつ
)
の
中
(
うち
)
はさのみ
不潔
(
ふけつ
)
の
人間
(
にんげん
)
ばかりではなかったが、ミハイル、アウエリヤヌイチは
直
(
すぐ
)
に
人々
(
ひとびと
)
と
懇意
(
こんい
)
になって
誰
(
たれ
)
にでも
話
(
はなし
)
を
仕掛
(
しか
)
け、
腰掛
(
こしかけ
)
から
腰掛
(
こしかけ
)
へ
廻
(
まわ
)
り
歩
(
ある
)
いて、
大声
(
おおごえ
)
で
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
田崎は万一逃げられると残念だから、穴の口元へ罠か其れでなくば火薬を
仕掛
(
しか
)
けろ。ところが、鳶の清五郎が、組んで居た腕を
解
(
ほど
)
いて、
傾
(
かし
)
げる首と共に、難題を持出した。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
私は彼女が私の話に気をとられてその男の方へはあんまり注意しないようにと
仕掛
(
しか
)
けたのだ。しかし彼女は私の言うことには何んだか気がなさそうに
応
(
こた
)
えるだけであった。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
巨
(
おお
)
きな
桜
(
さくら
)
へみんな百ぐらいずつの
電燈
(
でんとう
)
がついていた。それに赤や青の
灯
(
ひ
)
や池にはかきつばたの形した
電燈
(
でんとう
)
の
仕掛
(
しか
)
けものそれに
港
(
みなと
)
の船の灯や電車の火花じつにうつくしかった。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
外国の
髯
(
ひげ
)
づらどもが大砲を
発
(
はな
)
たうが地雷火を
仕掛
(
しか
)
けうが、びくとも致さぬほどの城壁に致したき
心願
(
しんがん
)
有之、しかも生を助けてこの心願を
成就
(
じょうじゅ
)
せしめんとする
大檀那
(
おおだんな
)
は天下一人もなく
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
前後左右
(
ぜんごさゆう
)
からその
品物
(
しなもの
)
を
見
(
み
)
ることの
出來
(
でき
)
るのは
實
(
じつ
)
に
便利
(
べんり
)
な
仕掛
(
しか
)
けではありませんか。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
訝
(
いぶか
)
しみあの三味線には
仕掛
(
しか
)
けがしてあるのではないかなどと
呟
(
つぶや
)
いたと云う。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
満洲の重要な
橋梁
(
きょうりょう
)
の東
橋脚
(
きょうきゃく
)
から西橋脚の方へ向け、この赤外線を通し、西の方に光電管をとりつけ、光電管から出る電気で
電鈴
(
でんれい
)
の鳴る
仕掛
(
しか
)
けを
圧
(
おさ
)
えておく。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
というわけは、雷の神は空を鳴りはためきながら、どこに落ちてやろうかと
見下
(
みおろ
)
しているうちに、長者の庭の木に
仕掛
(
しか
)
けがしてあるのを気づいてしまったのです。
雷神の珠
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
学校の生徒は八百人もあるのだから、体操の教師が
隊伍
(
たいご
)
を整えて、一組一組の間を少しずつ明けて、それへ職員が一人か
二人
(
ふたり
)
ずつ
監督
(
かんとく
)
として割り
込
(
こ
)
む
仕掛
(
しか
)
けである。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「いずれ
要所
(
ようしょ
)
要所には、
石扉
(
せきひ
)
を
閉
(
た
)
てたり
岩石
(
がんせき
)
や
組木
(
くみき
)
を
組
(
く
)
んで、ふだんは通れぬ
仕掛
(
しか
)
けになっているだろう。それをおまえたちの
槌
(
つち
)
でいけるところまで
掘
(
ほ
)
りぬいていくのだ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いよいよ
翌日
(
よくじつ
)
のことでした。
兄
(
にい
)
さんは、
虫
(
むし
)
をかごの
中
(
なか
)
へ
入
(
い
)
れて、うぐいすが、それを
食
(
た
)
べに
止
(
と
)
まると、
上
(
うえ
)
からふたの
被
(
かぶ
)
さるような
仕掛
(
しか
)
けにして、これをつばきの
木
(
き
)
の
下
(
した
)
に
置
(
お
)
きました。
子うぐいすと母うぐいす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
冴
(
す
)
みきったよく
磨
(
みが
)
かれた青ぞらで、まっ白なけむりがパッとたち、それから黄いろな長いけむりがうねうね下って来ました。それはたしかに、日本でやる下り
竜
(
りゅう
)
の
仕掛
(
しか
)
け花火です。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
乃公
(
おれ
)
は生涯、人に
向
(
むかっ
)
て
此方
(
こっち
)
から腕力を
仕掛
(
しか
)
けたようなことはなかったに、今夜は気に済まぬ事をしたと
思
(
おもっ
)
て、何だか坊主が戒律でも
破
(
やぶっ
)
たような
心地
(
こころもち
)
がして、今に忘れることが出来ません。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
車室
(
しやしつ
)
の
中
(
うち
)
はさのみ
不潔
(
ふけつ
)
の
人間計
(
にんげんばか
)
りではなかつたが、ミハイル、アウエリヤヌヰチは
直
(
すぐ
)
に
人々
(
ひと/″\
)
と
懇意
(
こんい
)
になつて
誰
(
たれ
)
にでも
話
(
はなし
)
を
仕掛
(
しか
)
け、
腰掛
(
こしかけ
)
から
腰掛
(
こしかけ
)
へ
廻
(
まは
)
り
歩
(
ある
)
いて、
大聲
(
おほごゑ
)
で、
這麼不都合
(
こんなふつがふ
)
極
(
きはま
)
る
汽車
(
きしや
)
は
無
(
な
)
いとか
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「何かご用ですか」と、母が
仕掛
(
しか
)
けた用をそのままにしておいて病室へ来ると、父はただ母の顔を見詰めるだけで何もいわない事があった。そうかと思うと、まるで懸け離れた話をした。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
東の遠くの海の方では、空の
仕掛
(
しか
)
けを
外
(
はず
)
したような、ちいさなカタッという音が聞え、いつかまっしろな鏡に変ってしまったお日さまの
面
(
めん
)
を、なにかちいさなものがどんどんよこ切って行くようです。
水仙月の四日
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「なに、危ないことはない。
仕掛
(
しか
)
けがしてあるのだから」
雷神の珠
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
それもごく
仕掛
(
しか
)
けの下手なわなです。
茨海小学校
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
仕
常用漢字
小3
部首:⼈
5画
掛
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
“仕掛”で始まる語句
仕掛張
仕掛物
仕掛紐
仕掛独楽
仕掛花火