しか)” の例文
あの六左衛門の親戚でしか讐敵かたきのやうに仲の悪いとかいふ男から斯の話がれたとのこと。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
衣服までことごと男生だんせいの如くによそおい、しかも学校へは女生ととものうて通いにき。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
決して他の人に告白うちあけるのでは無い。唯あの先輩だけに告白けるのだ。日頃自分が慕つて居る、しかも自分と同じ新平民の、其人だけに告白けるのに、危い、恐しいやうなことが何処にあらう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)