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確
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しか
ふりがな文庫
“
確
(
しか
)” の例文
もつと第一義的国民性を
確
(
しか
)
とつかんでゐる。昔、深林の中から生れた暗い強い気分が、今日でも歴然として残つてゐるのを私は見る。
真剣の強味
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
聟
(
むこ
)
の勘五郎に任せましたが、金箱は
確
(
しか
)
と押えて、五十文百文の出入りも、自分の手を経なければ、勝手に
捌
(
さば
)
きはさせなかったのです。
銭形平次捕物控:073 黒い巾着
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と、鞍の上でのけ
反
(
ぞ
)
ったが、
鐙
(
あぶみ
)
に
確
(
しか
)
と踏みこたえて、片手でわが眼に立っている矢を引き抜いたので、
鏃
(
やじり
)
と共に眼球も出てしまった。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分が
確
(
しか
)
とした人間だったら、あんなことを源氏がお言いになっても、軽率にこんな案内はしなかったはずだと思うと悲しかった。
源氏物語:04 夕顔
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
夫だけでは
確
(
しか
)
と分らぬ何か是と云う格別な所が有そうな者だ女「有ますとも老人の室の掃除
向
(
むき
)
と給仕とは
私
(
わたく
)
しが引受けて居ましたもの、 ...
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
▼ もっと見る
「それは
未
(
ま
)
だ
確
(
しか
)
とは
極
(
きま
)
らんがの、
下谷
(
したや
)
に富山銀行と云ふのがある、それ、富山重平な、あれの息子の嫁に欲いと云ふ話があるので」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
いつものように
黄昏
(
たそがれ
)
の軒をうろつく、嘉吉
奴
(
め
)
を
引捉
(
ひっとら
)
え、
確
(
しか
)
と親元へ預け置いたは、屋根から
天蚕糸
(
てぐす
)
に
鉤
(
はり
)
をかけて、行燈を釣らせぬ分別。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そこで何と滝沢氏、
明日
(
あす
)
は是非とも年始がてら初湯を試みにお出かけ下され。
確
(
しか
)
とお約束致しやした。しからばこれにて、ハイハイご免。
戯作者
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
然し初めは、自分も激して居る
故
(
せゐ
)
か、
確
(
しか
)
とは聞き取れなかつた。一人は小使の聲である。一人は? どうも前代未聞の聲の樣だ。
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
広い風呂場を
照
(
てら
)
すものは、ただ一つの小さき
釣
(
つ
)
り
洋灯
(
ランプ
)
のみであるから、この隔りでは澄切った空気を
控
(
ひか
)
えてさえ、
確
(
しか
)
と
物色
(
ぶっしょく
)
はむずかしい。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と手を放しますると、又々腰に差したる木刀
様
(
よう
)
の物を持って文治に打ってかゝる。その
小手下
(
こてした
)
を
掻潜
(
かいくゞ
)
って又も其の手を
確
(
しか
)
と押え
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
確
(
しか
)
と検して置こうと言うて野猪の
鬣
(
たてがみ
)
の直ぐ
側
(
そば
)
に生えおった高い
薄
(
すすき
)
に
攀
(
よ
)
じ登りサア駈けろと言うと同時に野猪の鬣に躍び付いた
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
慥
(
たし
)
かに見覺えました
品
(
しな
)
是
(
これ
)
は幸手宿の者より
否々
(
いや/\
)
粕壁
(
かすかべ
)
の
市
(
いち
)
で
買
(
かひ
)
ましたと云に原田始め役人共
其
(
そ
)
は何か取留ぬ申口たり林藏
確
(
しか
)
と申せ
胡亂
(
うろん
)
なことを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
悲嘆の苦しみに
踠
(
もが
)
き返り、滅茶苦茶に虚空を
掴
(
つか
)
んでいる人物だけが素面で、
確
(
しか
)
とは見定めもつかなかったが、やはり正銘な万豊の面影だった。
鬼涙村
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
彼はいよいよ
堪
(
たま
)
らなくなって、懐中電燈を
投
(
ほう
)
りだすと、今度こそは
確
(
しか
)
と
呼吸
(
いき
)
の根を止めようとして、頸ったまを押えつけた。
空家
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
しかしこう云うことを
洗立
(
あらいだて
)
をして見た所が、
確
(
しか
)
とした結果を得ることはむずかしくはあるまいか。それは人間の力の及ばぬ事ではあるまいか。
かのように
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
腰に下げた
手拭
(
てぬぐい
)
をとって、海水帽の上から
確
(
しか
)
と
頬被
(
ほおかむり
)
をした。而して最早大分
硬
(
こわ
)
ばって来た
脛
(
すね
)
を
踏張
(
ふんば
)
って、急速に歩み出した。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
だが、最初は、自分たちが立会って、その果し合いを
篤
(
とく
)
と見定めたような話しぶり。おいおい進むと、その人相年齢すらも
確
(
しか
)
とは判然しない。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
……生来拙い身は二箇月の謹慎の生活を送りながら、未だに現つ心なく、眼前の鉄格子さえ
確
(
しか
)
とは眼に入らぬ、たよりない心の状態に居ります。
その人
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
そんな事は全く知らない空虚の生命であった。その生命がこの世に認め得たものは唯「女の死」という一事だけであった。これを
確
(
しか
)
と見届けた。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ただどれだけ歴史を溯らせ得るか、今のところ確証がない。それで今日文献がない以上何も
確
(
しか
)
と断定は出来ぬが、起原は相当古いとも想像される。
野州の石屋根
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
増田に突き当たったのも鮎川と同様、天鵞絨か毛皮のような肌ざわりで、暗いなかで
確
(
しか
)
とは判らなかったが、犬よりも大きい物らしかったと云うのです。
半七捕物帳:62 歩兵の髪切り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「しかしそんな事は
確
(
しか
)
と予言の出来るはずのものではないのです。随分長く生命が保てる事もあるのですから。」
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
踏み出し足溜りをこしらへてはまた踏み固め二間餘のところ道をつけ
偖
(
さて
)
立戻り
蝙蝠傘
(
かふもりがさ
)
の
柄
(
え
)
の先を女に
確
(
しか
)
と掴ませ危うくも渡り越して互にホト息して無事を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
尚頭蓋骨は何分年数が経って居りますので
確
(
しか
)
と申上げられませんが、当時のものより心持ち小さい様に思われます
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
確
(
しか
)
とそうならば、これは是非書き
遺
(
のこ
)
して置き度い。書くことによってせめて、共鳴者を、私のほか一人でも増して置き度い。寂しいが私はこれ以上は望むまい。
宝永噴火
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
それは、
虹鱒
(
にじます
)
であろう。かげろうの羽虫を餌として、
鈎
(
はり
)
を瀬脇に投げ込めば、瞬間にグッとくる。
確
(
しか
)
と餌を食い込んだのだ。竿も折れよとばかりの強引である。
雪代山女魚
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
カピ長 さゝゝ、
沒分曉漢
(
わからんをとこ
)
ぢゃ。
確
(
しか
)
と
然樣
(
さやう
)
か?
其樣
(
そのやう
)
なことをすれば
身爲
(
みだめ
)
になるまい。……すれば、
何
(
なん
)
ぢゃな、では
乃公
(
おれ
)
の
命令
(
いふこと
)
を
聽
(
き
)
かぬ! はて、
今
(
いま
)
が
時
(
とき
)
ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
源次郎が右の方から金作の帯を
確
(
しか
)
と握って、片足を岩角にかけて反身になる、長次郎はしっかりしっかりと懸声しながら
矢張
(
やは
)
りニコニコして様子を伺っている
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
それと知るや与兵衛は、腰に結んで居た細引で、
射取
(
うちと
)
つた猿を
確
(
しか
)
と縛つて川岸の方へ引摺り下しました。
山さち川さち
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
前田利家は余り人の悪口を云うような人では無いが、其の世上の「うつけ者」の二人として挙げた中の一人は、
確
(
しか
)
と名は指して無いが信雄ではないかと思われる。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
この
蟷螂
(
かまきり
)
少からず神経性だと見える。その利鎌を今度は
二
(
ふ
)
た振り右と左で
空
(
くう
)
に
反
(
かえ
)
す、その
柄
(
つか
)
を両膝に
確
(
しか
)
と立てると、張り肱の、何かピリピリした凄い
蟀谷
(
こめかみ
)
になる。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
それ
程
(
ほど
)
までにいうんなら、
仕方
(
しかた
)
がない、
預
(
あず
)
かろう。その
換
(
かわ
)
り、
太夫
(
たゆう
)
が
借
(
か
)
りに
来
(
き
)
たにしても、もう二
度
(
ど
)
と
再
(
ふたた
)
び
貸
(
か
)
すことじゃないから、それだけは
確
(
しか
)
と
念
(
ねん
)
を
押
(
お
)
しとくぜ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
もはや最後の際でありますから、何をいわれるか、
確
(
しか
)
とは言葉も聞き取れませんが、何しろ、自分の亡き後のことなど私へたのむということであることだけは分る。
幕末維新懐古談:23 家内を貰った頃のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
髮と折敷との離れぬやうに赤い糸で
確
(
しか
)
と結び付けてブラ下げてあるのを、お
光
(
みつ
)
は一心に見入つてゐた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
或は、遠くの遠くの不思議な世界まで、これらの顏の
斷片
(
きれはし
)
を持つていつて、それを土臺に全く別の新しいのを造上げるかも知れないが、これとても
確
(
しか
)
とは受合はれぬ。
落葉
(旧字旧仮名)
/
レミ・ドゥ・グルモン
(著)
何分にも、道路を隔てているので
確
(
しか
)
とは判らないが、どうやら中折帽を冠っている男は、旅行に行っている筈の伯父であり若い女はビアトレスであるらしく思われた。
P丘の殺人事件
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
朝旨に
戻
(
もと
)
らず、三条の教憲を
確
(
しか
)
と踏まえて、正を行ない、邪をしりぞけ、
権衡
(
けんこう
)
の狂わないところに心底を落着せしめるなら、しいて天理に戻るということもあるまい。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
雲竜二刀を
確
(
しか
)
と抱きしめて子恋の森を走り出た弥生、ゆくてを見ると、四つの駕籠がおりているので、さては得印門下の四人が、何かの用で森の家へ帰って来たのか
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「左様なれば申し聞けるが、先頃より其の方、伊賀守様上屋敷にまかり出で、御落胤云々の虚構を申し立てたる
許
(
ばか
)
りか、大枚なる金子を
騙取
(
へんしゅ
)
せりというが
確
(
しか
)
と相違ないか」
長屋天一坊
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
何故と申し候はば、貴殿平生の行状誠に面白からず、別して、私始め村方の者の神仏を拝み候を、悪魔
外道
(
げだう
)
に
憑
(
つ
)
かれたる所行なりなど、
屡
(
しばしば
)
誹謗
(
ひぼう
)
致され候由、
確
(
しか
)
と承り居り候。
尾形了斎覚え書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そうなったら私も、お望みのことはなんなりとお答えしますよ——これは
確
(
しか
)
とお約束します!
永遠の夫
(旧字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
博士も大分心配せられて
傍
(
かたわ
)
らを去らずに付き切り、その内にドクトルが出て来られて
確
(
しか
)
とは分らんけれども、これはチスター熱に違いない。チスターのマラリヤ熱に相違ない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
手芸を習ふか、縁付くか、どちらにしても、
確
(
しか
)
とした
談話
(
はなし
)
の纒まるそれまでは、かうして気楽に暮すがよい。たとへば二年三年でも、汝一人をかうして置くが、乃公の
痛痒
(
いたみ
)
になりはせぬ。
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
中
(
うち
)
の様子を
窺
(
うかが
)
ふに、ただ暗うして
確
(
しか
)
とは知れねど、奥まりたる
方
(
かた
)
より
鼾
(
いびき
)
の声高く
洩
(
も
)
れて、地軸の鳴るかと疑はる。「さては
他
(
かれ
)
なほ
熟睡
(
うまい
)
してをり、この
隙
(
ひま
)
に
跳
(
おど
)
り入らば、
輒
(
たやす
)
く打ち取りてん」
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
実際耳学問であるか、そうでないかということは、まだ
確
(
しか
)
と考えてみたことはない。また考えてみる必要もなかったが、とかく耳の方で聞いたのは、
碌
(
ろく
)
な学問になっていないことは事実だ。
我輩の智識吸収法
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
ではこのみ仏は現世の地獄を
確
(
しか
)
とみず、
徒
(
いたず
)
らに夢三昧に
耽
(
ふけ
)
っていたのだろうか。
否
(
いな
)
、この菩薩にとっては見るということは直ちに
捨身
(
しゃしん
)
を意味した。地獄のあらゆるものの身に即して
化身
(
けしん
)
する。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
「
確
(
しか
)
と相違御座りませぬ。九郎右衛門、よも見忘れまい。中川十内じや」
相馬の仇討
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
この三十四箇条を削り取ったのは何故であるかは
確
(
しか
)
と分らぬが、多分後にバビロニアを征服したエラム王のスートルーク・ナクフンテ(Sutruk-Nakhunte, 1100 B.C.)
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
何處
(
どこ
)
かの森で
梟
(
ふくろ
)
の啼いてゐる。それが谷間に反響して、恰どやまびこのやうに
聞
(
きこ
)
える。さて立ツてゐても
爲方
(
しかた
)
が無いから、
後
(
あと
)
へ引返す積りで、ぼつ/\
歩
(
ある
)
き始めたが方角とても
確
(
しか
)
と解ツてゐなかツた。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
“確”の意味
《形容動詞》
(カク) 確かであるさま。はっきりしているさま。
《形容動詞》
(しかと、しっかと) 確かであるさま。はっきりしているさま。
(しっか-り) 確かであるさま。
(出典:Wiktionary)
確
常用漢字
小5
部首:⽯
15画
“確”を含む語句
確乎
確然
的確
確固
明確
正確
確的
確證
確証
不確
確実
確執
確信
確率
適確
精確
確定
不正確
確實
確認
...