“しつか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
69.0%
確乎10.3%
膝下9.2%
緊乎4.6%
3.4%
1.1%
確然1.1%
1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
でもね、考へようですよ、地方に落ついてゐて、しつかりと土台の定まつた生活をしてゐるといふことは、実に必要なことですわ。
念仏の家 (新字旧仮名) / 小寺菊子(著)
譯もなく歔欷すゝりあげてゐる新坊を、吉野は確乎しつかと懷に抱いて、何か深い考へに落ちた態で、その後にいた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
遠からず父上母上を迎へ取り、膝下しつか奉仕ほうじすることとなすべきなど語りきこえて東京に帰り、先づ愛児のすこやかなる顔を見て、始めて十数日来すうにちらいさをはらしぬ。
母となる (新字旧仮名) / 福田英子(著)
雨戸の横柄子よこざる緊乎しつかと挿せ、辛張棒を強く張れと家〻ごとに狼狽うろたゆるを、可愍あはれとも見ぬ飛天夜叉王、怒号の声音たけ/″\しく、汝等人を憚るな、汝等人間ひとに憚られよ、人間は我等を軽んじたり
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「さあ大分吹いて来たぞ、しつかりせい。今日一ぱいだ。動けぬ様になるまで獲れい! こたへられるまで耐へるんだ、仕方がなくなつたら網位捨ててもかまはんから。」
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
「まあ仕方がない。入つたんならしつかりやれ。」
(新字旧仮名) / 久米正雄(著)
うしてかれ卯平うへいたいする憎惡ぞうをねんかれこゝろきり穿うがつてさらくぎもつ確然しつかちつけられたのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「金目の懸つた竿だけに溺死おぼれじぬ場合にも心が残つて、あんなにしつかり握りめてゐたのだらうて。」