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確乎
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しつか
ふりがな文庫
“
確乎
(
しつか
)” の例文
三
(
みつ
)
つに
成
(
な
)
つて
居
(
ゐ
)
たお
品
(
しな
)
が
卯平
(
うへい
)
を
慕
(
した
)
うて
確乎
(
しつか
)
と
其
(
そ
)
の
家
(
うち
)
に
引
(
ひ
)
き
留
(
と
)
めたのはそれから
間
(
ま
)
もないことである。
蛇
(
へび
)
の
噺
(
はなし
)
は
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか
消滅
(
せうめつ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
譯もなく
歔欷
(
すゝりあ
)
げてゐる新坊を、吉野は
確乎
(
しつか
)
と懷に抱いて、何か深い考へに落ちた態で、その後に
跟
(
つ
)
いた。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
吉村忠雄氏又は次郎生は、さも知つたふりをして「君が專門に修めたものでも
確乎
(
しつか
)
りとやつたがいゝ」
貝殻追放:007 愚者の鼻息
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
戦
(
おのゝ
)
く
手
(
て
)
に、
婦
(
をんな
)
の
胸
(
むね
)
を
確乎
(
しつか
)
と
圧
(
お
)
せば、
膨
(
ふく
)
らかな
襟
(
ゑり
)
のあたりも、
掌
(
てのひら
)
に
堅
(
かた
)
く
且
(
か
)
つ
冷
(
つめ
)
たいのであつた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一人の屠手は赤い方の鼻面を
確乎
(
しつか
)
と
制
(
おさ
)
へて、声を
厲
(
はげま
)
して制したり叱つたりした。畜生ながらに
本能
(
むし
)
が知らせると見え、逃げよう/\と焦り出したのである。黒い佐渡牛は繋がれたまゝ柱を一廻りした。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
小
(
ちひ
)
さな
杙
(
くひ
)
は
毎日
(
まいにち
)
水
(
みづ
)
の
爲
(
ため
)
に
軟
(
やはら
)
かにされて
居
(
ゐ
)
る
土
(
つち
)
へぐつと
深
(
ふか
)
くはひつた。
鍵
(
かぎ
)
の
手
(
て
)
は
深
(
ふか
)
く
釣瓶
(
つるべ
)
の
内側
(
うちがは
)
を
覗
(
のぞ
)
いて
居
(
ゐ
)
たので
先刻
(
さつき
)
よりも
確乎
(
しつか
)
と
釣瓶
(
つるべ
)
を
引
(
ひ
)
き
止
(
と
)
めた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
訳もなく
歔欷
(
すすりあ
)
げてゐる新坊を、吉野は
確乎
(
しつか
)
と懐に抱いて、何か深い考へに落ちた
態
(
さま
)
で、その
後
(
あと
)
に
跟
(
つ
)
いた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
洋杖
(
ステツキ
)
と
紙入
(
かみいれ
)
と、
蟇口
(
がまぐち
)
と
煙草入
(
たばこいれ
)
を、
外套
(
ぐわいたう
)
の
下
(
した
)
に
一所
(
いつしよ
)
に
確乎
(
しつか
)
と
壓
(
おさ
)
へながら、
恭
(
うや/\
)
しく
切符
(
きつぷ
)
と
急行劵
(
きふかうけん
)
を
二枚
(
にまい
)
持
(
も
)
つて、
餘
(
あま
)
りの
人混雜
(
ひとごみ
)
、あとじさりに
成
(
な
)
つたる
形
(
かたち
)
は、
我
(
われ
)
ながら、
扨
(
さ
)
て
箔
(
はく
)
のついたおのぼりさん。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
品
(
しな
)
の
痩
(
や
)
せ
切
(
き
)
つた
手
(
て
)
が
勘次
(
かんじ
)
のする
儘
(
まゝ
)
にそれを
確乎
(
しつか
)
と
抱
(
だ
)
き
締
(
し
)
めて、
其
(
そ
)
の
骨
(
ほね
)
ばかりの
頬
(
ほゝ
)
が、ぴつたりと
擦
(
す
)
りつけられた。
葬式
(
さうしき
)
の
日
(
ひ
)
は
赤口
(
しやくこう
)
といふ
日
(
ひ
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
恐
(
おそ
)
ろしいより、
夢
(
ゆめ
)
と
知
(
し
)
れて、
嬉
(
うれ
)
しさが
前
(
さき
)
に
立
(
た
)
つた。
暫時
(
しばし
)
茫然
(
ばうぜん
)
として
居
(
ゐ
)
たが、
膚脱
(
はだぬ
)
ぎに
成
(
な
)
つて
大汗
(
おほあせ
)
をしつとり
拭
(
ふ
)
いた、
其
(
そ
)
の
手拭
(
てぬぐひ
)
で
向
(
むか
)
う
顱卷
(
はちまき
)
をうんと
緊
(
し
)
めて、
氣
(
き
)
を
確乎
(
しつか
)
と
持直
(
もちなほ
)
して、すた/\と
歩行出
(
あるきだ
)
す。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
確乎
(
しつか
)
とおさへて
枕
(
まくら
)
ながら
幽
(
かすか
)
にわなゝく
小指
(
こゆび
)
であつた。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“確乎”の意味
《名詞》
確乎(かっこ 「確固」に「同音の漢字による書きかえ」がなされる)
しっかりして確かなこと。
(出典:Wiktionary)
確
常用漢字
小5
部首:⽯
15画
乎
漢検準1級
部首:⼃
5画
“確乎”で始まる語句
確乎不抜