“持直”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もちなほ63.6%
もちなお36.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
取な早々はや/″\用意を致せといふ言葉ことばに隨て然ば御先へと又短刀たんたう持直もちなほしあはや只今突立つきたてんとする時亦々廊下らうか物音ものおとすさまじく聞えければ越前守何事やらん今暫いましばらくと忠右衞門を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
身體からだるくばくすりむがよし、御醫者おゐしやにかゝるも仕方しかたがなけれど、おまへやまひはれではなしにさへ持直もちなほせば何處どこわるところがあろう、すこしは正氣しようきつて勉強べんきようをしてくだされといふ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
負傷者は容易に死なず、医師の説に依れば幾分か持直もちなおした気味だと云う。巡査はよんどころなく手をつかねて、の快癒に向うのを待つうちに、四五日は徒爾いたずらに過ぎた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
雨脚は濁らぬが古ぼけた形で一濡れになってあらわれたのが、——道巾は狭い、身近な女二人に擦違おうとして、ぎょッとしたように退すさると立直って提灯を持直もちなおした。
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)