“しっ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
39.9%
32.9%
7.7%
湿5.6%
4.9%
2.8%
1.4%
1.4%
1.4%
1.4%
(他:1)0.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そしてサザンカを山茶花と書くべしというしっかりした根拠典故は元来何んにもなく、これは実によい加減に充たものである。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
と気丈な殿様なればたもとにて疵口きずぐちしっかと押えてはいるものゝ、のりあふれてぼたり/\と流れ出す。
この時「脚気かな、脚気かな」としきりにわが足をもてあそべる人、急に膝頭をうつ手をげて、しっと二人を制する。
一夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「年四十露に気の附く花野かな。」山城河岸の酒席に森枳園きえんが人をしっしたと云う話も、この頃の事であったらしい。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「好いとも、二倍の賞与を出してやる、ついでに、これから俺を山へれて往け、機をしっしないうちに、すぐ実行する」
警察署長 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
人間として着物をつけないのは象の鼻なきがごとく、学校の生徒なきがごとく、兵隊の勇気なきがごとく全くその本体をしっしている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もとより湿しっけのあるに、小雨こさめながら降ってるのだから、火足ひあしはすこしも立たない。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
唇の端には、無恥な、挑むような、ずるそうなものが、そして、眼には、湿しっけた、暗い水の粒が宿っている。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
つその砂糖を清浄しょうじょうにするには骨炭こったんせば清浄になると云うこともチャントしって居る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
此方こっち流石さすがに生理学者で、動物を殺すに窒塞ちっそくさせればけはないと云うことをしって居る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「立てっ、安政っ。——七右衛門もしっかりせいッ。おことら、へばるにはまだ早いぞ。——何のざま」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
又八がそれから一合もやるうちに、この男はもう五合を越えて、まだしっかりしたものだった。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どうして『知らず』のお絃というかといえば、このお絃、浮世絵師うきよえしが夢に見そうないい女で、二十しっぱちあぶらの乗り切った女ざかり、とにかく、すごいような美人なのが
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
しっちゃ、小樽行きまだか。」
不在地主 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
「小金井さんは、ふらんすの翻訳。若松賤子は英語もので、両方ともしっかりしている。若松賤子は明治女学校の校長さんの夫人で、巌本嘉志子かしこというのが本名だ。」
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
わたしは『都新聞』を読んでいなかったので困ったが、お鯉さんの妹で、大変しっかりもののおかみさんが、帳場を一切処理しているというから、その婦人でしょうと、その人は言った。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
南谷は今以て人形町に店があるがきんちゃくがしっくいで入口に出来ていたので俗にきんちゃくの勧工場ともいっていた。
新古細句銀座通 (新字新仮名) / 岸田劉生(著)
二丁目の海老屋など一つ思い切って、本建築の時には昔の足袋屋らしくしっくいの大海老でも軒へつけては如何いかん
新古細句銀座通 (新字新仮名) / 岸田劉生(著)
女子 (ヨハナーンを数々しばしば接吻し)昔のように、さあしっかりとだかっておいで、もっとしっかりと緊かりと。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
女子 風の音です、何んでもない風の音です。……ヨハナーンや! さあ姉様の所へおいで、さあ昔のようにしっかりと抱っこしてあげましょう。……さあおいで。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
現今の物理学的気象学の立場より考えて、今日のいわゆる要素の数は大体において理論上主要の項をしっしたりと考えらる。
自然現象の予報 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)