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しっ
ふりがな文庫
“
確
(
しっ
)” の例文
からだを掴まれることを厭がりあれ程
狎
(
な
)
れていても、嘴で
確
(
しっ
)
かりと咬み付く、咬みつくとブルドッグのようにどうしても放さない
人真似鳥
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
太「はい、伯父様
貴方
(
あんた
)
確
(
しっ
)
かりしねえではいけませんよ、七十八十の爺さまではなし、死ぬなんぞという
弱
(
よえ
)
え気を出しては駄目でがんす」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
同時にそのボーイが頭をがっくりと下げたまま、口を
確
(
しっ
)
かりと
噤
(
つぐ
)
んでいる横顔が、何かしら一言も云うまいと決心しているのに気付いた。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
母は強い熱に堪え
得
(
う
)
る体質の女なんでしたろうか、叔父は「
確
(
しっ
)
かりしたものだ」といって、私に向って母の事を
褒
(
ほ
)
めていました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
確
(
しっ
)
かりと自分の足で、この大地を踏まえて行く生活! 今まで
項垂
(
うなだ
)
れて、唖のような意趣に唇を噛んでいた女性は、彼女の頭を持ち上げた。
概念と心其もの
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
▼ もっと見る
糸屋でこそあれ辻屋は土地の旧家で身代もなかなか
確
(
しっ
)
かりしたもの、普通の糸屋と
異
(
ちが
)
って、
鎧
(
よろい
)
の
縅
(
おどし
)
の糸、
下緒
(
さげお
)
など専門にして
老舗
(
しにせ
)
であった。
幕末維新懐古談:51 大隈綾子刀自の思い出
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
この娘は見掛けの弱々しい可愛らしさに似ず、
性根
(
しょうね
)
に
確
(
しっ
)
かりしたものがあるらしく、昨夜の話も整然として筋も乱れません。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
金作は頻りに「
折角
(
せっかく
)
旦那方を案内して来ながら劒へ行けなかったのは済まない」と気の毒がる、「何に構やしないさ、明日また
確
(
しっ
)
かり頼むよ」
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
そしてサザンカを山茶花と書くべしという
確
(
しっ
)
かりした根拠典故は元来何んにもなく、これは実によい加減に充たものである。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
「父親の官兵衛よりは
眉目
(
みめ
)
も
美
(
よ
)
い。
母御
(
ははご
)
に似たと見ゆる。気性も
確
(
しっ
)
かり者らしい。良い
和子
(
わこ
)
だ。なかなか良いところがある」
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ふくらかな
確
(
しっ
)
かりした形がどうして生れなくなったのでしょうか。名が高いだけに将来の歴史を深めたいものであります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
その碑の前には一人の質素な服装の
独逸
(
ドイツ
)
人の青年が、膝まずいて両手を
確
(
しっ
)
かり組み合せ、それを胸の前で
頻
(
しき
)
りに振り廻していた。眼は
瞑
(
つむ
)
っていた。
褐色の求道
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
しかも
跛
(
びっこ
)
は引きながらも、私がこんなにも大股に
確
(
しっ
)
かと足を踏み締めて、悠然と二階へ上って行ったのは、一体ここ何カ月ぶりのことであったろうか。
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
そうして私達は友達になったのです。いまでは私達の友情は落着いた
確
(
しっ
)
かりしたものになっています。はじめの頃のように無性に話しあったりはしませんが。
聖アンデルセン
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
何でこの状を
目睹
(
もくと
)
して
躊躇
(
ちゅうちょ
)
すべき。将軍、
忽
(
たちま
)
ち着のみ着のまま川の中へ飛び込んで口元を
確
(
しっ
)
かと握り、金剛力を
振
(
ふる
)
い起こし、「エーヤッ」とばかりに引揚げた。
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
それから、浄善さんの死因に就いては、智凡さんが
確
(
しっ
)
かりした説を持っていらっしゃいますが
夢殿殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
僕に結核があるかどうか、御診察の上で、包みかくしのないところを
仰
(
おっ
)
しゃって下さい。大丈夫ですよ、僕は
確
(
しっ
)
かりしています。どんな診断を聞かされたって平気なもんです。
誤診
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
構いませんわ、あの人は
気象
(
きしょう
)
の
確
(
しっ
)
かりした人ですから、きっとそれ相当な働きをしますわ。
セメント樽の中の手紙
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
「どうぞ、お母さん、私を行かせないで下さいまし。貴女のお手で、私を
確
(
しっ
)
かり抱いて頂戴。斯うやって、私がすがり付いているように。そして、どうぞしっかり捕えていて下さい」
唖娘スバー
(新字新仮名)
/
ラビンドラナート・タゴール
(著)
それどころか、宝として
確
(
しっ
)
かりと握っていたのだとも思われる。冷たさにも、熱さにも、他の苦痛など、てんで考えている暇のない専有慾の満足と、自由を願うものとの
葛藤
(
かっとう
)
だったのだ。
柳原燁子(白蓮)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
私は其の老婆を見た瞬間に、五六年も前に見たまだ
確
(
しっ
)
かりしてゐた彼女の姿と、それから現在の年齢を同時と云つてもいゝ早さで思い出しました。彼女は確かにもう八十は過ぎてゐました。
白痴の母
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
戦いの刻限を告げ
確
(
しっ
)
かり食事して働いてくれと頼んで去った、七人木で庵を造り
鏃
(
やじり
)
など
鋭
(
と
)
いで
弓弦
(
ゆづる
)
括
(
くく
)
って火
焼
(
た
)
いて夜を明かし、朝に物
吉
(
よく
)
食べて
巳
(
み
)
の時になりて敵来るべしといった方を見れば
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
驚いた笛吹きは
確
(
しっ
)
かり其角につかまり、さてプカに向って云いました。
二つの短い話
(新字新仮名)
/
ダグラス・ハイド
、
パトリック・ケネディ
(著)
そして暗号を奪ったが、足がつきそうになって、
確
(
しっ
)
かり者の三原玲子にまで暗号をリレーしたのだ。ところがやはり刑事が怪しんで追跡した。玲子は暗号を受取ったが、さあ始末に困ってしまった。
獏鸚
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
クラリス・メルジイは
確
(
しっ
)
かりした口調でなお語り続ける。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
夫人 そして、
確
(
しっ
)
かり、私におつかまりなさいまし。
天守物語
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
多「番頭さんも
目前
(
めさき
)
べいの勘定で心の勘定がねいから、何が
幾許
(
いくら
)
入
(
い
)
るか知りやアしねい、店を預かる番頭さんだから
確
(
しっ
)
かりしなんしよ」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この大島高次郎という人は、若い時から
草鞋穿
(
わらじば
)
きで
叩
(
たた
)
き上げたほどな人ですから、なかなか
確
(
しっ
)
かりした人物でありました。
幕末維新懐古談:37 鋳物の仕事をしたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
代助は、それで結構だ、
確
(
しっ
)
かり
遣
(
や
)
りたまえと奨励した。すると寺尾は、いや
些
(
ちっ
)
とも結構じゃない。どうかして、真面目になりたいと思っている。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
お母さんはあの通り、
確
(
しっ
)
かりもんには違いなえが、兄さんでもお
嫂
(
ねえ
)
さんでも、みんなと仲がええし……無理なことなんぞ、一言だっていわれる方ではなえ
仁王門
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
なかなかの
確
(
しっ
)
かりした人で
騙
(
だま
)
そうとしても引き返さなければならない程の、愉快な手応えを見せていた。
わが愛する詩人の伝記(三):――萩原朔太郎――
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
少年は、その人前でもちっとも恥しがったりうじうじしないで、
確
(
しっ
)
かりと、
白耳義
(
ベルギー
)
の孤児を自分達が助けて上げなければならないと云う事を話しているのでした。
私の見た米国の少年
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「あたし……虫ぐらいにこんなに怖がって……しんは
確
(
しっ
)
かりしている積りだけど末梢神経が臆病なのね」
唇草
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
何をいえ地が四五寸もの間左右に急激に揺れたからその揺れ方を
確
(
しっ
)
かと覚えていなければならん筈だのに、それを左程覚えていないのがとても残念でたまらない。
牧野富太郎自叙伝:02 第二部 混混録
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
懐疑的な表情が
泛
(
うか
)
んできて、それが、彼女の心を
確
(
しっ
)
かと捉えてしまったもののように見えた。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「なアんだ、馬鹿馬鹿しい。
確
(
しっ
)
かりしろ。ところで、お前はこの人のお妾だったそうだな」
見開いた眼
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
陶土もここのは骨があり肉があるとでも申しましょうか、どこか
確
(
しっ
)
かりした、質の優れた材料であります。自然がこの地で陶器を作れよとさながら命じているように思えます。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
今はなお、合戦また合戦と、
遑
(
いとま
)
なき世の中だが、かならず次には、おまえたちの奉公がいよいよ大事な世となって来よう。それまでに
確
(
しっ
)
かりと励んでおけよ、自分を作っておけよ
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
文「やア大分風が静かになって来た、これで天気になったらば、また助ける風も吹くであろう、死ぬも生きるも約束だ、
各々
(
おの/\
)
確
(
しっ
)
かりしろよ」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「幸吉、実は、今度、お前に骨を折ってもらわなくちゃならないことが出来たんだ。一つ
確
(
しっ
)
かりやってもらいたい」
幕末維新懐古談:26 店初まっての大作をしたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
そしてこれを
確
(
しっ
)
かと
内懐
(
うちぶところ
)
に納めたが、これでもはや私のなすべき用意はすべてなし終えたのであった。
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
確
(
しっ
)
かりと、正直に苦しみ、正直に有難がり、正直に悦んで、「人」を拡大して行き度いと思う。
概念と心其もの
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
その時第一に
馳
(
か
)
け付けたものは祖父であった。左の手に
提灯
(
ちょうちん
)
を
翳
(
かざ
)
して、右の手に
抜身
(
ぬきみ
)
を持って、その抜身で死骸を
叩
(
たた
)
きながら、軍平
確
(
しっ
)
かりしろ、
創
(
きず
)
は浅いぞと云ったそうである。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
鷦鷯
(
みそさざい
)
のやうに敏捷に身を
飜
(
ひるがえ
)
して、
楊柳
(
かわやなぎ
)
や月見草の
叢
(
くさむら
)
を潜り、魚を漁つてゐる漁師たちに訪ね合はしてゐる直助の
紺
(
こん
)
の姿と
確
(
しっ
)
かりした声が、すぐ真下の矢草の青い河原に
見出
(
みいだ
)
された。
川
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
ところが、おれは密かに彼等を語らって、船長に対して一騒動起そうという計画なんだ。あの連中は腕っ節も強いし、頭もあって
確
(
しっ
)
かりした手合だが、どうだい君も仲間に入らないか
ラ・ベル・フィユ号の奇妙な航海
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
その揺れ方を
確
(
しっ
)
かと覚えていなければならん筈だのに、それを
左程
(
さほど
)
覚えていないのがとても残念でたまらない……もう一度生きているうちにああいう地震に遇えないものかと思っている。
牧野富太郎自叙伝:01 第一部 牧野富太郎自叙伝
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
と、
力
(
りき
)
み直したが、相手の足もとは、どうして、
確
(
しっ
)
かりとしたものだ。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だまされやすく
騙
(
だま
)
してみたいような美しさを持っている人だが、この父朔太郎の思い出をくぐり抜けている葉子さんは、なかなかの
確
(
しっ
)
かりした人で、騙そうとしても引き返さなければならない程の
我が愛する詩人の伝記
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「マヌエラ、どうしたんだ、
確
(
しっ
)
かりおし!」
人外魔境:01 有尾人
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
とこわ/″\乗りますと、乗り付けませんで、殊に道中馬は危ないから、油汗が出て
確
(
しっ
)
かり
捉
(
つか
)
まっている。シャン/\/\と馬方が曳き出す。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“確”の意味
《形容動詞》
(カク) 確かであるさま。はっきりしているさま。
《形容動詞》
(しかと、しっかと) 確かであるさま。はっきりしているさま。
(しっか-り) 確かであるさま。
(出典:Wiktionary)
確
常用漢字
小5
部首:⽯
15画
“確”を含む語句
確乎
確然
的確
確固
明確
正確
確的
確證
確証
不確
確実
確執
確信
確率
適確
精確
確定
不正確
確實
確認
...