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膝下
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しつか
ふりがな文庫
“
膝下
(
しつか
)” の例文
私は
二十
(
はたち
)
になつた今日までの
生涯
(
しやうがい
)
にこれぞといつて人さまにお話し申す大事件もなく、父母の
膝下
(
しつか
)
に穏やかな年月を送つて参り
升
(
まし
)
たが
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
遠からず父上母上を迎へ取り、
膝下
(
しつか
)
に
奉仕
(
ほうじ
)
することとなすべきなど語り
聞
(
きこ
)
えて東京に帰り、先づ愛児の
健
(
すこや
)
かなる顔を見て、始めて十
数日来
(
すうにちらい
)
の
憂
(
う
)
さを
霽
(
はら
)
しぬ。
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
瑞雲院様おん物語に、それがし幼少より父武蔵守の
膝下
(
しつか
)
を離れ、十数年の間牡鹿山の城中にありて文武の道を学ぶ、されば旁〻一閑斎に養育の恩を受けたりと
被仰
(
おほせられ
)
候
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
母の
膝下
(
しつか
)
にて過す
精進日
(
せじみび
)
は、常にも増して
樂
(
たのし
)
き時節なりき。
四邊
(
あたり
)
の光景は今猶
昨
(
きのふ
)
のごとくなり。街の角、四辻などには金紙銀紙の星もて飾りたる
常磐木
(
ときはぎ
)
の
草寮
(
こや
)
あり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
母の
膝下
(
しつか
)
には所々光るやうな感じのする黒い血が、畳半畳ほど澱んで流れてゐた。そして其血の縁の処に、季節には珍らしい一匹の蠅が、まざ/\と血を嘗めてゐた。
父の死
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
▼ もっと見る
先生は
常州
(
じやうしう
)
、水戸の産なり、その
伯
(
はく
)
疾
(
や
)
み、その
仲
(
ちう
)
は
夭
(
えう
)
す。
先生
(
せんせい
)
夙夜
(
しゆくや
)
膝下
(
しつか
)
に
陪
(
ばい
)
し
戦々兢々
(
せんせんきようきよう
)
たり。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
はじめて丑松が親の
膝下
(
しつか
)
を離れる時、父は一人息子の前途を深く案じるといふ風で、さま/″\な物語をして聞かせたのであつた。其時だ——一族の祖先のことも言ひ聞かせたのは。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
而して一も其夫妻相信じ子女
膝下
(
しつか
)
を廻る香しき家を想像するの料たらざるはなし。
頼襄を論ず
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
“膝下”の意味
《名詞》
膝の下。
父母のもと。自分を庇護してくれる人のもと。
手紙の脇付の一つ。父母に対して用いる。
(出典:Wiktionary)
膝
常用漢字
中学
部首:⾁
15画
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“膝”で始まる語句
膝
膝頭
膝行
膝行袴
膝元
膝栗毛
膝掛
膝小僧
膝許
膝節