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しつか
ふりがな文庫
“
確
(
しつか
)” の例文
三十前後の平凡な女ですが、
斯
(
こ
)
んなのが案外
確
(
しつか
)
りもので、家の事情や、人と/\の關係を説明させるのに、一番便利なのかもわかりません。
銭形平次捕物控:208 青銭と鍵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
でもね、考へようですよ、地方に落ついてゐて、
確
(
しつか
)
りと土台の定まつた生活をしてゐるといふことは、実に必要なことですわ。
念仏の家
(新字旧仮名)
/
小寺菊子
(著)
さうして、凡ての者の注視の
的
(
まと
)
になつてゐた。「どうしてかう靜かに——かう
確
(
しつか
)
りと——耐へてゐられるのだらうか?」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「そんな者はない。」湯浅氏は天国の支配人のやうな
確
(
しつか
)
りした調子で言つた。「つまり、早いもの勝ちなんだね。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
足
(
あし
)
を
水
(
みづ
)
の
中
(
なか
)
に
投出
(
なげだ
)
したから
落
(
お
)
ちたと
思
(
おも
)
ふ
途端
(
とたん
)
に、
女
(
をんな
)
の
手
(
て
)
が
脊後
(
うしろ
)
から
肩越
(
かたこし
)
に
胸
(
むね
)
をおさへたので
確
(
しつか
)
りつかまつた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
春
(
はる
)
が
来
(
き
)
たといつては
莞爾
(
につこり
)
、
何
(
なに
)
か
観
(
み
)
たといつては
莞爾
(
につこり
)
、
元来
(
ぐわんらい
)
があまり
確
(
しつか
)
りした
頭
(
あたま
)
でないのだ。
十歳
(
じつさい
)
の
時
(
とき
)
、
髪剃
(
かみそり
)
を
頂
(
いたゞ
)
いたが、
羅甸
(
ラテン
)
の
御経
(
おきやう
)
はきれいに
失念
(
しつねん
)
して
了
(
しま
)
つた。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
はつきりした自分のものといふ信念なり考へなりがあるのやらないのやら、どうにも
確
(
しつか
)
りした心棒といふものが皆目見当らない感じで、甚だ頼りないのだつた。
雨宮紅庵
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
ことに彼が、人間にも似た
確
(
しつか
)
りとした理智の眼をもつて居り、同時に彼が、友人とはげしい争闘をするときは、嵐のやうな激情の、凄まじい男性味をもつてゐる。
小熊秀雄全集-02:詩集(1)初期詩篇
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
「大丈夫だから、
御取
(
おと
)
んなさい」と
確
(
しつか
)
りした
低
(
ひく
)
い調子で云つた。三千代は
顎
(
あご
)
を
襟
(
えり
)
の
中
(
なか
)
へ
埋
(
うづ
)
める様に
後
(
あと
)
へ引いて、無言の儘右の手を前へ
出
(
だ
)
した。紙幣は其
上
(
うへ
)
に落ちた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
確
(
しつか
)
と押へ漸く蕎麥責を
脱
(
のが
)
れしが此時露伴子は七椀と退治和田の
牡丹餅
(
ぼたもち
)
に梅花道人が辭してより久しく誰人の手にも落ちざりし豪傑號を得たりしは目ざましかりける振舞なり
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
ば
胴卷
(
どうまき
)
に入れて
確
(
しつか
)
と
懷中
(
くわいちう
)
にて
縛
(
しば
)
り夫れより又土藏へ忍び入り
質物
(
しちもの
)
の中にて
何
(
いづ
)
れも金目なる小袖類を盜みとり
風呂敷
(
ふろしき
)
に包みて
背負
(
せおひ
)
傍邊
(
かたへ
)
に在りし
鮫鞘
(
さめざや
)
の脇差を腰にぶつこみ猶又
拔足差足
(
ぬきあしさしあし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ぼんやりして居るんだい。明日は愈々予選会ぢやないか。今年が第二回目の戦なんだから、今度の成績で君の
記録
(
レコード
)
、いや、この学校の名誉が永遠に定るんだ。僕も頼むから
確
(
しつか
)
りやつて呉れよ。
月下のマラソン
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
困るねえ、
承
(
うけたま
)
はりますれば
何
(
なに
)
か
御邸
(
おやしき
)
から
御拝領物
(
ごはいりやうもの
)
の
儀
(
ぎ
)
に
就
(
つ
)
きまして
私共
(
わたくしども
)
までお
赤飯
(
せきはん
)
を
有難
(
ありがた
)
う
存
(
ぞん
)
じます
序
(
ついで
)
に
女房
(
にようばう
)
も
宜
(
よろ
)
しくてえんだよ。亭「え。妻「
本当
(
ほんたう
)
に子供ぢやアなし、
性
(
しやう
)
がないね、
確
(
しつか
)
りおしよ。 ...
八百屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「おい、
確
(
しつか
)
りしろ」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
五十二三の、
確
(
しつか
)
り者らしい女でした。身だしなみも立派、
身扮
(
みなり
)
は地味ですが、折屈みや言葉づかひは、何んとなく江戸の匂ひがするのです。
銭形平次捕物控:249 富士見の塔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小僧は巻煙草のやうに頭に火がついても、びくともしないやうな
確
(
しつか
)
りした調子で言つた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
覺まされなば一大事と思へば
側
(
そば
)
へ立寄て
刄
(
やいば
)
持
(
もつ
)
手
(
て
)
を
確
(
しつか
)
り
禁
(
とゞ
)
め聲を
密
(
ひそ
)
めて云るやう
娘
(
むすめ
)
逸
(
はやま
)
る事なかれ
委細
(
ゐさい
)
の事は
書置
(
かきおき
)
にて
逐
(
ちく
)
一
諒知
(
しようち
)
なしたりし
流石
(
さすが
)
は大藤武左衞門の娘だけあり無き名を
負
(
おひ
)
し
遺恨
(
ゐこん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
父
(
ちゝ
)
はそれを同県下の多額納税議員の某から
確
(
たしか
)
めたのださうである。最後に、佐川家の財産に就ても
話
(
はなし
)
が
出
(
で
)
た。
其
(
その
)
時父は、あゝ云ふのは、普通の実業家より基礎が
確
(
しつか
)
りしてゐて安全だと云つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
……
目
(
め
)
を
確
(
しつか
)
り
瞑
(
つぶ
)
れや。
杖
(
つゑ
)
に
掴
(
つか
)
まれ。
言
(
ことば
)
を
背
(
そむ
)
くと
生命
(
いのち
)
がないぞ。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「すつかり締めきりましたよ。六疊の外の三枚の雨戸は、鵜の毛の
尖端
(
さき
)
で突いた程の
疵
(
きず
)
もありませんね。棧も
確
(
しつか
)
りしてゐるし」
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
竹のや主人、
饗庭
(
あへば
)
篁村氏は
剽軽
(
へうきん
)
な面白い爺さんだが、夫人はなか/\の
確
(
しつか
)
り
者
(
もの
)
なので、お尻の長い友達衆は、
平素
(
ふだん
)
は余り
寄付
(
よりつ
)
かない癖に、夫人が
不在
(
るす
)
だと聞くと、直ぐ駈けつける。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「出来る
積
(
つもり
)
です」と
確
(
しつか
)
り答へた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
手代の周次郎——年は若いが
確
(
しつか
)
りものだ。御浪人の近藤宇太八樣用心棒と言つては失禮に當るが、何彼とお世話になつてゐる。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
叔父の安兵衞は確り店を預かつて、重三郎の儘にさせないから、自分の足場を
確
(
しつか
)
りと拵へた上で、今度は安兵衞を殺す氣になつたかも知れない
銭形平次捕物控:168 詭計の豆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
確
(
しつか
)
り者と言つても、取つてたつた十八の娘が、不意に鼻の先へ眼を剥いた
白髮
(
しらが
)
ツ首を突き付けられたのですから、驚いたのも無理はありません。
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
併
(
しか
)
し、家光の胸に錢形平次の名が印象深く
記憶
(
きおく
)
された事と、金色の
處女
(
をとめ
)
——お靜の愛を
確
(
しつか
)
り掴んだことだけで、若い平次は滿足しきつて居りました。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お千勢は
確
(
しつか
)
り者ですから、何時までも若旦那の慰みものになつてゐる筈はありません。嫁にしてくれとか何んとか手詰の強談を持ち込んだのでせう」
銭形平次捕物控:123 矢取娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
確
(
しつか
)
り者の四十男で、金儲けや商賣には拔け目のないやうな
人柄
(
ひとがら
)
ですが、昨夜は少しばかり
晩酌
(
ばんしやく
)
をやつて、
亥刻
(
よつ
)
(十時)そこ/\に二階へ上がつた切り
銭形平次捕物控:015 怪伝白い鼠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「何を驚くんだ。この良い男の杵太郎は、ちよいとやさしいが、どうしてどうして、なか/\性根の
確
(
しつか
)
りした男だ」
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
娘のお
此
(
この
)
が近頃與三郎に熱くなつてゐるので、
許嫁
(
いひなづけ
)
の金次郎が面白くないのは評判の通りだが、金次郎は根が
確
(
しつか
)
り者で、人などを殺すやうな男ぢやない。
銭形平次捕物控:159 お此お糸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いづれはお上で
沒收
(
ぼつしう
)
さ。だが、あのお房といふ娘は思ひの外
確
(
しつか
)
り者だから、結構清次郎を立てゝ行くだらうよ」
銭形平次捕物控:112 狐の嫁入
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その平凡さうな三十女が、前掛で手を拭いて、縁側へキチンと坐ると、思ひの外
確
(
しつか
)
り者らしい地が出るのです。
銭形平次捕物控:257 凧糸の謎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何んの、罪も、
糸瓜
(
へちま
)
もありやしません。夫の心を
確
(
しつか
)
と押へて、本妻の格式と、一粒種の子供を護り通さうといふ女には、それ位のことは許されて宜い筈です。
銭形平次捕物控:172 神隠し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
六十を越した、一と
掴
(
つか
)
みほどの老婆ですが、なか/\
確
(
しつか
)
りものらしく言ふことはハキハキもして居ります。
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
六疊と四疊半の二た間、元隱居家に建てたものらしく、木口も
確
(
しつか
)
りしてをり、調度もなか/\に立派です。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
叔父さんが、俵屋の
帳尻
(
ちやうじり
)
を胡麻化して、
確
(
しつか
)
り溜めた上で、お辰さんと一緒になつて、大きな小間物の店を持つに違ひない——と、まあ、死んだ叔父さんのことを
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「俵屋の主人は、跡取りのことを、ひどく氣にしてゐるやうだから、明日の親類方の
寄合
(
よりあひ
)
の前に、またどんなことが起らないとも限らない、
確
(
しつか
)
り見張つてくれ」
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あの男は思ひの外
確
(
しつか
)
り者らしいから、容易に口を割るまいが、うんと
脅
(
おど
)
かしたら、何とか眼鼻がつくだらう。——俺は小染に會つて、いろ/\聽きたいことがある
銭形平次捕物控:118 吹矢の紅
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
かういふお皆は、此上もなく質素な調度の中に暮して居りますが、何となく
確
(
しつか
)
り者らしい中年女でした。
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
三十二三の、一度や二度は縁づきもしたことのある女、奉公
摺
(
ず
)
れのしてゐるだけに言ふことは、
確
(
しつか
)
りしてゐて、決して人に尻尾を掴ませるやうな女ではありません。
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
年の頃は、二十二三にもなるでせうか、身なりも
賤
(
いや
)
しくは無く、物言ひも上品に
確
(
しつか
)
りして居ります。
銭形平次捕物控:296 旅に病む女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お紋さんと仲がよくないかつて? 御冗談で、お紋さんは
確
(
しつか
)
り者ですよ。磯五郎さんの方でチヨイチヨイ
絡
(
から
)
んだやうですが、あの人は藝人なんか、相手にしやしません。
銭形平次捕物控:171 偽八五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ところで、花火が揚がつて、矢が飛んで來たとき、お孃さんは何處にゐたのか、
確
(
しつか
)
りしたところを
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その女達を
繞
(
めぐ
)
る男を、
虱潰
(
しらみつぶ
)
しに擧げましたが、何分古いことで、本人達が勘次郎の存在を忘れて居るのと、お清が思ひの外
確
(
しつか
)
り者で、近頃すつかり堅くなつて居たので
銭形平次捕物控:047 どんど焼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
格子戸の中、
灯
(
あかり
)
から遠い土間に立つたのは、二十三——四の年増、ガラツ八が言ふほどの美い
縹緻
(
きりやう
)
ではありませんが、
身形
(
みなり
)
も顏もよく
整
(
とゝの
)
つた、
確
(
しつか
)
り者らしい奉公人風の女です。
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
まア、
確
(
しつか
)
りやつて見ることだ。
脅
(
おど
)
かしなんかは氣にすることは無いぜ、惡者が惡事を前以つて知らせるのは、何かそれをやらなきやならないワケのある事さ——その變な手紙を
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
少し眼を泣き
脹
(
は
)
らして居りますが、初々しいうちに
確
(
しつか
)
り味のある娘で、至つて粗末な身なり乍ら、好みも上品に、顏形もよく整つて、何んとなく人好きのする風情があります。
銭形平次捕物控:140 五つの命
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あの内儀も評判者ですよ、悧巧で
確
(
しつか
)
り者で、あの若さで後家を立て通して、白粉にも紅にも縁のない暮しをして居るんだから。尤も
口説
(
くど
)
き手はいつでも五六人はあるやうで」
銭形平次捕物控:219 鐘の音
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そんなものが居てたまるか、馬鹿野郎。
確
(
しつか
)
りしろ、皆んなお前の臆病がさせたことだ」
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「爪がひどく痛んでゐるし、指も折れてゐるかも知れない。匕首を握り緊めてゐるのを無理にコジ開けたのだ。それに左手は匕首を持たせてはあるが、
確
(
しつか
)
り
握
(
にぎ
)
つてゐるわけでない」
銭形平次捕物控:158 風呂場の秘密
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“確”の意味
《形容動詞》
(カク) 確かであるさま。はっきりしているさま。
《形容動詞》
(しかと、しっかと) 確かであるさま。はっきりしているさま。
(しっか-り) 確かであるさま。
(出典:Wiktionary)
確
常用漢字
小5
部首:⽯
15画
“確”を含む語句
確乎
確然
的確
確固
明確
正確
確的
確證
確証
不確
確実
確執
確信
確率
適確
精確
確定
不正確
確實
確認
...