“仕兼(しか)” の例文
助手の失敗は教諭の失敗でありますから、責任感の強いS教諭は、ことによると引責辞職をするか、或は自殺をも仕兼(しか)ねないだろうと考えたのです。
痴人の復讐 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
身(み)に附(つ)けて居(を)れば遺失(おと)しさうだ、——と云(い)つて、袖(そで)でも、袂(たもと)でも、恁(か)う、うか/\だと掏(す)られも仕兼(しか)ねない。……
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
いや、それは身(み)を躱(かは)した所(ところ)が、無(む)二無(む)三に斬(き)り立(た)てられる内(うち)には、どんな怪我(けが)も仕兼(しか)ねなかつたのです。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
前の場合には、若しかすると人違いを仕兼(しか)ねませんけれど、後の場合では、すぐその人と分って了うのです。そこで、彼は先ず両眼を隠す為に色眼鏡を用いました。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)