確乎しか)” の例文
あとは今夜のの刻(午後十時)に、その御報告を池田勝入様のお耳へ確乎しかとお達しするという役目だけが一ツ残ってるんで……。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
容子ようすかられば近村きんそんではあるが何處どことも確乎しかとはれない天秤商人てんびんあきうどからそれをもとめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
心の誠というものは神力しんりきのあるものである。此の女の心の誠は老主人の心に響いたのであろう。主人の面には甘さも苦さも無くなって、ただ正しい確乎しかとした真面目さばかりになった。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
申と直樣すぐさましばるぞと有けるにぞ元來ぐわんらい臆病者おくびやうもののことゆゑ林藏はがた/\ふるの根もあはず居たりしかば家主嘉右衞門はそばより是々林藏確乎しかとした御答おこたへを申上よ大事だいじな儀ぢやぞと申に林藏なにいたしましてうそ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
唯吉たゞきち確乎しか敷居しきゐつかんだ。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
日暮れまえに、太田黒兵助ひょうすけたち三名の使いの者から、武蔵の手へ、確乎しかとわたして承諾を取った果し合いの出合い状には
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
潮田と小野寺は、その背を見送ってから、町の灯を遠く見て歩きだしたが、武林の考え方が正しいか、自分達の執った処置がよかったか、確乎しかと、判断が持てなかった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、原惣右衛門は、玄関前に、一丈ほどの青竹を持って待っている間瀬久太夫の方へ走って行き、懐中から取り出した一通を、確乎しかと青竹の先に結びつけて、二人してそこの大地へ深く突き差した。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、よろめきながら、内蔵助は、男の手頸てくび確乎しかとつかんで
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その心得にて精出して致すよう、確乎しかと、申しつけたぞ
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何か、見届けるような、確乎しかとしたまなざしで。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
確乎しかと承知」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
確乎しかと?」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)