顰蹙しか)” の例文
『書いてると頭がグルグルして來ましてねす。』と煖爐ストーブの方へ歩き出して、大袈裟に顏を顰蹙しかめて右の手で後腦を押へて見せた。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
が、今にも頭が堪へ難い程重くなつてズクズクうづき出す様な気がして、渠は痛くもならぬ中から顔を顰蹙しかめた。そして、下唇を噛み乍らまた書出した。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
が、今にも頭が堪へ難い程重くなつて、ズクズクうづき出す樣な氣がして、渠は痛くもならぬ中から顏を顰蹙しかめた。そして、下脣を噛み乍らまた書出した。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
軈てまた机に就いて、成るべく厭に見える樣に顏を顰蹙しかめたり後腦を押へて見たりし乍ら、手帳を繰り始めたが、不圖髭を捻つて居る戸川課長の顏を思出した。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
やがてまた机に就いて、成るべく厭に見える様に顔を顰蹙しかめたり後脳を抑へて見たりし乍ら、手帳を繰り初めたが、不図髯を捻つて居る戸川課長の顔を思出した。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
眼をギラギラ光らして舌を出し乍ら、垢づいた首巻を巻いて居たが、階段はしごを降りる時はまた顔を顰蹙しかめて、ちよいと時計を見上げたなり、事務の人々には言葉もかけず戸外そとへ出て了つた。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)