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加之
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しか
ふりがな文庫
“
加之
(
しか
)” の例文
加之
(
しか
)
も風の吹き廻しで、声は却って
後
(
あと
)
の方へ響くので、巡査は
彼女
(
かれ
)
が重太郎を呼ぶ声を聞いた。忠一の耳にもお葉の声が聞えた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
加之
(
しか
)
も此無名の豪傑は
薩
(
さつ
)
の元老であらうの
長
(
ちやう
)
の先輩であらうの或は在野の
領袖
(
りやうしう
)
某
(
なにがし
)
であらうの甚しきは前将軍であらうのと
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
加之
(
しか
)
も一旦貰った女房は去るなと言うでないか? 女房を持つのが堕落なら、何故一念発起して赤の他人になッ
了
(
ちま
)
えといわぬ。一生離れるなとは
如何
(
どう
)
いう
理由
(
わけ
)
だ? 分らんじゃないか?
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
幾ら気が張っていても、
疲労
(
つかれ
)
には勝たれぬ。市郎は昨夜雨中を
駈廻
(
かけまわ
)
った上に、終夜殆ど安眠しなかった。
加之
(
しか
)
も今朝は朝飯も食わなかった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
自分の
過失
(
そさう
)
を棚へ上げて狂犬呼ばゝりは怪しからぬ
咄
(
はなし
)
だ。
加之
(
しか
)
も大切な
生命
(
いのち
)
を軽卒に
奪
(
と
)
るとは飛んでもない万物の霊だ。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
▼ もっと見る
市郎は散歩が
好
(
すき
)
であった。
加之
(
しか
)
も未来の妻たるべき冬子の家を訪問するのであるから、悪い
心地
(
こころもち
)
は
為
(
し
)
なかった。早速に帽子を被って家を出た。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
何でも恋愛咄で暗に自分と嬢様の関係に擬したものださうだ。
加之
(
しか
)
も其著作した
理由
(
いはれ
)
因縁を仄めかして持つて来たから嬢様も呆れてお了ひなすつた。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
加之
(
しか
)
も二晩もつづけて見るというのは実に
解
(
げ
)
し兼ぬる次第で、思えば思うほど実に不思議な薄気味の悪い
噺
(
はなし
)
だ。
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
加之
(
しか
)
も
眼眩
(
まばゆ
)
きばかりに美しく着飾った貴婦人で、するすると窓の
側
(
そば
)
へ
立寄
(
たちよ
)
って、何か物を
投出
(
なげだ
)
すような手真似をしたが、窓は
先刻
(
せんこく
)
私が
確
(
たしか
)
に
鎖
(
と
)
じたのだから、
迚
(
とて
)
も自然に
開
(
あ
)
く筈はない。
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
其
(
その
)
うしろ姿は
正
(
まさ
)
しく猫、
加之
(
しか
)
も表通りの
焼芋商
(
やきいもや
)
に飼つてある
雉子猫
(
きじねこ
)
だ。
雨夜の怪談
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
加
常用漢字
小4
部首:⼒
5画
之
漢検準1級
部首:⼃
4画
“加”で始まる語句
加
加減
加茂
加賀
加担
加奈陀
加持
加持祈祷
加勢
加里