“ぎれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
28.6%
21.4%
14.3%
14.3%
7.1%
7.1%
/\7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
髪は、たしか、結綿ゆいわたと覚えている。ぎれしぼり鹿の子は、少し寝くずれた首すじに、濃むらさきの襟が余りにも似合っていたし、早熟ませな十九の男には、眼に痛いほど、蠱惑こわくだった。
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぱらり、 ぱらり! とおさよの手で幾重にも包んだ油紙とぼろぎれがとけてゆくうちに、いつしか堅くつばをのみながら、じっとおさよの手もとをみつめていた栄三郎の眼に、一閃チラリと映ったのは!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ここらは手のさきの器用をろうし言葉のあやつりにのみこだわる歌よみどもの思い至らぬ場所に候。三句ぎれのことはなお他日つまびらか可申もうすべく候えども三句切の歌にぶっつかり候ゆえ一言致置いたしおき候。
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
大きな硝子箱の中に古代ぎれの上に据えた七宝と、白絹の布片きれの上に置かれた鶏とはちょうど格好な対照であった。自分ながら幹部の人々の趣向のうまいのに感心した位であった。
玩具おもちゃ洋刀サーベルを持ち海老しびの竹ぎれを持った少年の群は、そこでいくさごっこをはじめた。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
繃帯ほうたい法。巻軸帯まきじくおび、繃帯ぎれ、……
たね子の憂鬱 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
大地だいちは自然につゞいてゐるけれども、其上にいへてたら、忽ち/\ぎれになつて仕舞つた。いへなかにゐる人間にんげんも亦れになつて仕舞つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)