ぎれ)” の例文
ものは称呼となえも大事である。辻町糸七が、その時もし、真珠、と云って策を立てたら、弦光も即諾して、こまぎれ同然な竹の皮包は持たなかったに違いない。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ここらは手のさきの器用をろうし言葉のあやつりにのみこだわる歌よみどもの思い至らぬ場所に候。三句ぎれのことはなお他日つまびらか可申もうすべく候えども三句切の歌にぶっつかり候ゆえ一言致置いたしおき候。
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)