ぎれ)” の例文
足へ一斗樽ほどにボロぎれを巻く手際も心得てしまった頃でも、何うかすると貰いが少なくて、夕飯にあり付き損ねたり、暴風雨あらしや吹雪の晩など、橋の下や、堂宮の軒下に、臍まで濡れて
ぱらり、 ぱらり! とおさよの手で幾重にも包んだ油紙とぼろぎれがとけてゆくうちに、いつしか堅くつばをのみながら、じっとおさよの手もとをみつめていた栄三郎の眼に、一閃チラリと映ったのは!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ぎれ一つあるでない。
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)