“瞰上”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みあ50.0%
みあぐ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
父子おやこはここに腰をおろして、見るとも無しに瞰上みあげると、青い大空をさえぎる飛騨の山々も、昨日今日は落葉に痩せて尖って、さなが巨大おおいなる動物が肋骨あばらぼねあらわしたようにも見えた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あるいは怪獣の眼かと市郎はきっ瞰上みあげる途端に、頭の上から小さな石が一つ飛んで来たが、幸いに身にはあたらなかった。市郎はにわかに蝋燭を吹き消した。敵のまとにならぬ用心である。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
この寒いのに彼は全身に汗を覚えた。岩の蔭から瞰上みあぐれば、日はすでに高く昇ったらしい。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
瞰上みあぐれば我が頭の上には、高さ幾丈の絶壁が峭立きったっていて、そこはの虎ヶ窟なることを思いあたった。若い男と女とが社会のうるさい圧迫をのがれて、自由なる恋をたのしんだ故蹟こせきである。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)