“向岸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むこうぎし73.3%
むかうぎし13.3%
むかう6.7%
むかふぎし6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
向岸むこうぎし晩香坡バンクーバから突然だしぬけに大至急云々うんぬんの電報が来て、二十四時間以内の出帆しゅっぱんという事になったので、その忙がしさといったら話にならない。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ちやうひとみはなして、あとへ一歩ひとあし振向ふりむいたところが、かは曲角まがりかどで、やゝたか向岸むかうぎしの、がけうち裏口うらぐちから、いはけづれるさま石段いしだん五六段ごろくだんりたみぎはに、洗濯せんたくものをしてむすめが、あたかもほつれくとて
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
駈足をしてる様ないそがしい人々、さては、濁つた大川を上り下りの川蒸気、川の向岸むかうに立列んだ、強い色彩いろ種々いろいろの建物、などを眺めて、取留とりとめもない、切迫塞せつぱつまつた苦痛くるしみおそはれてゐた事などが
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
爾時そのとき仮橋かりばしががた/\いつて、川面かはづら小糠雨こぬかあめすくふやうにみだすと、ながれくろくなつてさつた。トいつしよに向岸むかふぎしからはしわたつてる、洋服やうふくをとこがある。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)