“むこうぎし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
向岸55.0%
対岸30.0%
前岸5.0%
彼岸5.0%
彼方岸5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
渡しを渡った向岸むこうぎし茶店ちゃみせそばにはこの頃毎日のように街の中心から私をたずねて来る途中、画架がかを立てて少時しばらく河岸かしの写生をしている画学生がいる。
桃のある風景 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
つとめて起き、窓おしあくれば、朝日の光対岸むこうぎしの林を染め、微風そよかぜはムルデの河づらに細紋をゑがき、水に近き草原には、ひと群の羊あり。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
前岸むこうぎしはもとのままの湖の縁でとびとびに生えた白楊はこやなぎが黒く立っていて、その白楊の下の暗い処からそこここに燈の光が見えている。
水郷異聞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
心身疲労しきったイエス様はその日も夕方になったころ、「さあ彼岸むこうぎしに渡ろう」と言い出されました(四の三五)。群衆から遠く離れて休養を欲せられたのであります。
そしてその針金の上を車が動くようになっていて、車に渡船がつながれると、船頭の一寸した手かげんで上手に、船が流されようとする力を応用して、彼方岸むこうぎしに一人でに行くようになっている。
惨事のあと (新字新仮名) / 素木しづ(著)