“かわむこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
川向50.0%
前岸21.4%
河向14.3%
川彼方7.1%
河彼方7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
蠣殻町は浜町に比ぶれば気風ぐつと下りたりとて、浜町の方にては川向かわむこうの地を卑しむことあたかも新橋芸者の烏森からすもりを見下すにぞ似たりける。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
彼の体は前岸かわむこうの平らかな岩の上に持って往かれた。彼は三年目にしてはじめて白竜山の本山ほんざんの中へ一歩を入れることができた。彼はよろこんで岩をつとうて往った。
仙術修業 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
すぐ河向かわむこう須賀町すがちょうなので、内々ないない様子をききに行ったのだと言うので、「そんなら早くそう言やアいいのに。」とわたしは百円札を並べて見せ、証文は丸抱まるがかえの八百円というのだから
あぢさゐ (新字新仮名) / 永井荷風(著)
この一場の小喜劇がこれで済んで、川彼方かわむこうを跛足を引き引き駈けて行く米友の形をさんざんに笑いながら、ようやく能登守一行の川渡りが済みました。
そう云うと、相木熊楠くまくすは、自身で一頭のこまを曳き出して来て、舟橋のけ板のうえを巧みなひづめの音に躍らせて、忽ち、河彼方かわむこうへ飛ばして行った。
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)