河向かわむこう)” の例文
それから先は電車と前後してやがて吾妻橋をわたる。河向かわむこうに聳えた松屋の屋根の時計を見ると、丁度九時……。
寺じまの記 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
すぐ河向かわむこう須賀町すがちょうなので、内々ないない様子をききに行ったのだと言うので、「そんなら早くそう言やアいいのに。」とわたしは百円札を並べて見せ、証文は丸抱まるがかえの八百円というのだから
あぢさゐ (新字新仮名) / 永井荷風(著)