こそ)” の例文
それから爪でこつこつこそげました。それから息をかけました。そのすきとほった氷の穴からくろずんだ松林と薔薇色の雪とが見えました。
氷と後光 (旧字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
やがて毎日の雨は霰と變つて、天の一角をこそげおとすやうに烈しく降つてくる。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
写楽が雲母きらを揉みこそげ、 芭蕉の像にけぶりしつ
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
頬邊ほつぺたこそげるやうに冷たくうるほしてゆく。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)