“赭松”の読み方と例文
読み方割合
あかまつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見上げると両側の山は切りいだように突っ立って、それに雑木ぞうき赭松あかまつが暗く茂っていますから、下からると空は帯のようなのです。
女難 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「あれは蒿雀あおじだ。……」私はっとそれが思い出せると、飛び起きて、窓ぎわに寄っていった。其処から見えた赭松あかまつの一つの枝で小さなオリイブ色をした小鳥が二羽飛び交していた。
晩夏 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
窓の下には薪が積んであったり、玉蜀黍とうもろこしが植えられてあったりしていて、その少し向うに二三本の赭松あかまつが見え、それから何処へ往くのだか一本の道が傾きながら裏山へ消えているきりだった。
晩夏 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)