“赭土色”の読み方と例文
読み方割合
あかつちいろ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この刹那に、市郎の眼に映った敵の姿は、すこぶ異形いぎょうのものであった。勿論もちろん、顔は判らぬが、はだ赭土色あかつちいろで手足はやや長く、爪も長くとがっていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
皮膚の色さえ、小次郎には、故郷のにおいが感ぜられる赭土色あかつちいろの持主だった。眉は、粗で、眼はきれ長であり、面長なあぎとに近いあたりに、黒子ほくろがある。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その下に体の大きい重吉がはげた赭土色あかつちいろの獄衣を着て、いがぐり頭で、終日そうやって縫っている。
風知草 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)