“其面”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そのおも33.3%
そのかお16.7%
そのかほ16.7%
そのつら16.7%
そのめん16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さて血潮にまみれたる障子と板の間を引き剥がし、裏口を流るゝ谷川へ片端かたはしより投込むてい、事も無げなる其面そのおももち。白痴か狂人かと疑はれ、無気味にも亦恐ろしゝ。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
私は其面そのかおじっと視ていた。すると、何時いつの間にか母がそばへ来ていて、泣声で、「息を引取る迄ね、お前に逢いたがりなすってね……」
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
渡部の声は激動せり、其面そのかほは赤く輝けり、冷茶一喫いつきつ、彼は其の温清なるまなこを再び紙上に注ぐ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
わざと知らせて馬鹿ばかがらせてよろこばせれば、大面先生おほづらせんせい横平よこひらたく、其面そのつらまはし、菊塢きくう可笑をかしやつだ、今度の会は彼処あすこもよほしてやらうと有難ありがたくない御託宣ごたくせん、これが諸方しよはう引札ひきふだとなり、聞人達もんじんたち引付ひきつけ
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
村夫子そんぷうしふ、美の女性に貴ぶべきは、其面そのめんの美なるにはあらずして、単に其意そのこゝろの美なるにありと。なんぞあやまれるのはなはだしき。
醜婦を呵す (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)