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可笑
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をか
ふりがな文庫
“
可笑
(
をか
)” の例文
みんな勝手にしやべつて、勝手にきめてしまふので、高一は
可笑
(
をか
)
しくもあり、面白くもあり、だまつてニヤ/\笑つて見てゐました。
栗ひろひ週間
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
苺
(
いちご
)
の
色
(
いろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、
可笑
(
をか
)
しな罪の恥と
赤面
(
せきめん
)
、
苺
(
いちご
)
の色の
薔薇
(
ばら
)
の花、おまへの
上衣
(
うはぎ
)
を、ひとが
揉
(
も
)
みくちやにした、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ、
無言
(
むごん
)
の花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
と
苦笑
(
くせう
)
したので、
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
をはじめ、
一座
(
いちざ
)
の
面々
(
めん/\
)
、
餘
(
あま
)
りの
可笑
(
をか
)
しさに、
一時
(
いちじ
)
にドツと
笑崩
(
わらひくづ
)
るゝ
間
(
あひだ
)
に、
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は
平氣
(
へいき
)
な
顏
(
かほ
)
で
私
(
わたくし
)
に
向
(
むか
)
ひ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「なんだ、そんな事ですか。あつしはまた
可笑
(
をか
)
しくてたまらないことがあるんで。どうにも彼うにも、へツ、へツ、へツ、へツ」
銭形平次捕物控:175 子守唄
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
花にはあらで得ならぬ匂ひ、そよ吹く
風毎
(
かぜごと
)
に
素袍
(
すはう
)
の袖を
掠
(
かす
)
むれば、末座に
竝
(
な
)
み居る
若侍等
(
わかざむらひたち
)
の亂れもせぬ衣髮をつくろふも
可笑
(
をか
)
し。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
▼ もっと見る
而も初めには誰も氣附かなかつたらしいが、それが一音二音と重なつてくるにつれて、何處となく語調が
可笑
(
をか
)
しく響くのである。
猫又先生
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「はゝゝゝ。思切つた酷評を下したもんですね。はゝゝは。」さも
可笑
(
をか
)
しさうに笑ひ續けたが、
軈
(
やが
)
て靜に葉卷の煙を吹きながら
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
此奴、やつぱり先刻からずつと、自分の將來の再婚のことを考へてゐたのかと急に私は
可笑
(
をか
)
しくなつて、大きな聲で笑ひ出した。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
伴
(
ともな
)
ふどち
可笑
(
をか
)
しがりて、くわくらん(霍乱)の薬なるべしと
嘲笑
(
あざわら
)
ひ候まま、それがし答へ候ははくらん(博覧)
病
(
やみ
)
が買ひ候はんと申しき。
芭蕉雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
奴
(
やつ
)
め
身體
(
からだ
)
が
痛
(
いた
)
い
癖
(
くせ
)
に
親父
(
おやぢ
)
に
知
(
し
)
らすまいとして
働
(
はたら
)
いて
居
(
ゐ
)
た、
夫
(
そ
)
れを
見
(
み
)
たら
己
(
お
)
れは
口
(
くち
)
が
利
(
き
)
けなかつた、
男
(
をとこ
)
が
泣
(
な
)
くてへのは
可笑
(
をか
)
しいでは
無
(
な
)
いか
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お客は
可笑
(
をか
)
しさが一杯なのを、奥歯でじつと
噛
(
か
)
み
堪
(
こら
)
へながら、ともかくも英語で返事をした。すると、女史の機嫌が急によくなつて来た。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
気味悪さに着るにもよう着ないで居た自分の姿が
可笑
(
をか
)
しく目に浮ぶのであつたから寒いなどとは
誰
(
たれ
)
にも告げやうとはしなかつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
彼女は、この時、祖母から
予
(
かね
)
て聞かされてゐた
可笑
(
をか
)
しな逸話を思ひ出した。それは、彼女が小さな時分、父に頬ずりをされて
落葉日記
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
小説といふものにするんだとこんな程度のものでは面白くも
可笑
(
をか
)
しくもないんだが、自伝小説の一節としては僕はやはり記録して置きたい。
椎の若葉
(新字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
以て
錢
(
ぜに
)
なしに旅せしこと伊勢參宮に人違ひの騷動など細やかに話す話すに
條理
(
すぢみち
)
あらねども其の樣子其の身振面白く
可笑
(
をか
)
しく腹を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
可笑
(
をか
)
しいほど犬を恐れ乍ら、可笑しいほど一人で威張つて居た。「これは優しい犬だ、未だ子供だから人懐しがつて通る人の傍へ行くのだ」
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
そして
可笑
(
をか
)
しい事には、をりをりは何の
為
(
た
)
めにかうしてしやがんでゐるかといふことを、丸で忘れてしまつてゐるのである。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
いつしか黄ばみかけた日の光のもとに、薄青いクローバ模様の壁にかけた玩具の木時計が
可笑
(
をか
)
しさうにお尻の分銅を動かし乍ら今三時を点つ。
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
いづれも肥え
膏
(
あぶら
)
づいて、竹の串に突きさゝれてある。
流石
(
さすが
)
に嗅ぎつけて来たと見え、一匹の小猫、下女の
背後
(
うしろ
)
に様子を
窺
(
うかゞ
)
ふのも
可笑
(
をか
)
しかつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
兄さんは
何時
(
いつ
)
も自分一人が苦勞してるやうなこと云つてるから
可笑
(
をか
)
しいわ。私にだつて云ふに云はれない苦勞があつてよ。
仮面
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
すると祖母さんが、(あああゝ然うだらうともさ。)が
可笑
(
をか
)
しいぢやありませんか。壓制的なんて祖母さんに解るもんですかねえ。ホホホヽヽ。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
(牛の肉の中で一番上等が
此
(
こ
)
の舌だといふのは
可笑
(
をか
)
しい。
涎
(
よだ
)
れで
粘々
(
ねばねば
)
してる。おまけに黒い
斑々
(
ぶちぶち
)
がある。歩け。こら。)
種山ヶ原
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
可笑
(
をか
)
しいやうですよ。父は、みんなに面目ないのですね。さうなつても、まだ見栄張つてゐて、なあに、おれには、内緒でかくしてゐる山がある。
火の鳥
(新字旧仮名)
/
太宰治
(著)
まだ
可笑
(
をか
)
しい
事
(
こと
)
がある、ずツと
後
(
あと
)
で……
此
(
こ
)
の
番町
(
ばんちやう
)
の
湯
(
ゆ
)
へ
行
(
ゆ
)
くと、かへりがけに、
錢湯
(
せんたう
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
が「
先生々々
(
せんせい/\
)
」
丁
(
ちやう
)
ど
午
(
ひる
)
ごろだから
他
(
ほか
)
に
一人
(
ひとり
)
も
居
(
ゐ
)
なかつた。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
木山の見え坊も
可笑
(
をか
)
しかつたが、四年間の夢の棄て場が、是かと思ふと、矢張り来て見ない方が可かつたと思はれた。
のらもの
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
お文伯母が目白に対しても、まるで人間のことを言ふやうに丁寧な言葉を使ふのが、それが真面目であるだけに、聞いて居るものには
可笑
(
をか
)
しかつた。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは、さも
不思議
(
ふしぎ
)
さうに
自分
(
じぶん
)
の
肩
(
かた
)
を
左顧右盻
(
とみかうみ
)
してゐました。『
可笑
(
をか
)
しな
時計
(
とけい
)
!』
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
つて
又
(
また
)
、『
日
(
ひ
)
が
解
(
わか
)
つて、それで
時
(
とき
)
が
解
(
わか
)
らないなンて!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
姫はこれをも
可笑
(
をか
)
しとて笑ひ給ふに、外の人々は
遽
(
には
)
かに色を正して、中にもかゝる味なき事を可笑しとするは何故ならんなどいふ人さへあり。われ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
愚助は和尚様に
打
(
ぶ
)
たれるとばかり思つてゐましたのに、打たれなかつたばかりか、さも
可笑
(
をか
)
しさうに笑はれたので、自分も何だか可笑しくなりました。
愚助大和尚
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
もつと
可笑
(
をか
)
しいのは、張帥が装甲自動車で外出する際には、この老人が大佐の制服を着て、拳銃を
挙
(
あ
)
げて同乗する。
南京六月祭
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
どの男をも通じて、それだけの認識力は持つてゐる。去年の秋の頃だつけ。あの士官生徒は本当に
可笑
(
をか
)
しかつた。あんな馬鹿な小僧つてありやしない。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
「金毘羅はんでも、
吉備津
(
きびつ
)
ツあんでも、參る/\いうてやはつて、ちよつとも拜みやはれへんのや。
可笑
(
をか
)
しい人。」
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
陰には
己
(
おのれ
)
自ら更に
甚
(
はなはだし
)
き不為を
強
(
し
)
ひながら、人の口といふもののかくまでに重宝なるが
可笑
(
をか
)
し、と満枝は思ひつつも
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「お前の鶯笛はいい音がするね。ンでも今時分鶯笛を吹くのは
可笑
(
をか
)
しいの。わしのこれと取りかへつこしよう。」
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
此
(
この
)
臆斷
(
おくだん
)
を
許
(
ゆる
)
すべき
餘地
(
よち
)
が、
安井
(
やすゐ
)
と
御米
(
およね
)
の
間
(
あひだ
)
に
充分
(
じゆうぶん
)
存在
(
そんざい
)
し
得
(
う
)
るだらう
位
(
ぐらゐ
)
に
考
(
かんが
)
へて、
寐
(
ね
)
ながら
可笑
(
をか
)
しく
思
(
おも
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
知合の女客に物を言つて、居合せた三人の官吏と一寸話をした。その官吏をソロドフニコフは馬鹿な、
可笑
(
をか
)
しい、時代後れな男達だと思つてゐるのである。
死
(新字旧仮名)
/
ミハイル・ペトローヴィチ・アルチバシェッフ
(著)
「
可笑
(
をか
)
しいぞ。山車のやうに俺がゆる——す、ゆる——すと言はなければ、これも又動き出さないのかしら。」
拾うた冠
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
とその晩には、きまつて作男の庄吉が酒をのんで、酔払つて、
可笑
(
をか
)
しな唄をうたつたりして家の者を笑はした。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
一つ/\を見れば
可笑
(
をか
)
しくも何でもない。もしそれを並べて見ると、似て居るといふので可笑しくなる。
パスカルの言葉
(旧字旧仮名)
/
ブレーズ・パスカル
(著)
詫り證文の一件は少し
可笑
(
をか
)
しいやうにも不必要なやうにも思ひましたが、成程然う遣つて置く方が先へ行つて或は安心かとも思ひましたので、早速書いて送りました。
反古
(旧字旧仮名)
/
小山内薫
(著)
一人だと何んて少ししか喰べないもんだらう、まるで小鳥の餌ほどだつたわ、と
可笑
(
をか
)
しがりながら。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
其頃の着物は皆
素味
(
ぢみ
)
だつた。十三、四の頃の着物が残つてゐて、此年になつても私は時折着るが、夫れでちつとも
可笑
(
をか
)
しいと思へない。夫れ程昔は素味なものが
流行
(
はや
)
つた。
写生帖の思ひ出
(新字旧仮名)
/
上村松園
(著)
ナニ
可笑
(
をか
)
しいことがあるものか、
何
(
なん
)
だかね、お
邸
(
やしき
)
からいゝ
熊
(
くま
)
の皮を
到来
(
たうらい
)
したとか
云
(
い
)
つて、
其祝
(
そのいは
)
ひだつて
下
(
くだ
)
すつたのだよ、だからちよいとお
礼
(
れい
)
に
往
(
い
)
つてお
出
(
いで
)
。亭「
何
(
なん
)
てツて。 ...
八百屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
二度目の時は
可笑
(
をか
)
しうございましたよ。たしか十四時間眠つて、跡で十二時間吐き続けました。
尼
(新字旧仮名)
/
グスターフ・ウィード
(著)
婦人問題を論ずる男の方の中に、女の体質を初から弱いものだと見て居る人のあるのは
可笑
(
をか
)
しい。さう云ふ人に問ひたいのは、男の体質はお産ほどの苦痛に堪へられるか。
産褥の記
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
『
可笑
(
をか
)
しい
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ひますね、
昨年
(
さくねん
)
あんなに
世話
(
せわ
)
になつた
人
(
ひと
)
に
會
(
あ
)
ひたいのは
當然
(
あたりまへ
)
だらうと
思
(
おも
)
ふ。』
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
ぢゃによって、
何
(
なに
)
か
可笑
(
をか
)
し
悲哀
(
なさけな
)
い
奴
(
やつ
)
をば
聽
(
き
)
かせてくりゃ、
乃公
(
おれ
)
は
怏々
(
くさ/\
)
してかなはぬによって。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
いや、それで
可笑
(
をか
)
しい話がある。染太夫がその雛人形をくれると、それから間もなく私が「
妹脊山
(
いもせやま
)
」を書いて、染太夫は春太夫と掛合ひで三の
切
(
きり
)
の吉野川を語ることになつた。
近松半二の死
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
現に二十三日の晩、最後に会つた時でも別に変つた様子は無く、常の如く快く飲んで別れたのに、
踵
(
あくと
)
なぐりに十日と経たぬ昨日、唯あの新聞記事だけで絶交するとは
可笑
(
をか
)
しい。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
其顏の如きは實に
可笑
(
をか
)
しなものがあつて、美人とは何うしても受取れぬやうではあるが、それでも何處とはなしに美人としての傑作たるを許さぬことが出來ないやうに出來てる。
彫刻家の見たる美人
(旧字旧仮名)
/
荻原守衛
(著)
可
常用漢字
小5
部首:⼝
5画
笑
常用漢字
小4
部首:⽵
10画
“可笑”で始まる語句
可笑味
可笑相