としより)” の例文
としより夫婦は声も節も昔のごとしとめ、年若き四人は噂にたがわざりけりと聴きほれぬ。源叔父は七人の客わが舟にあるを忘れはてたり。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
七十のとしよりが、往復六里。
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
残り五人は浦人なり、後れて乗りこみし若者二人のほかの三人みたりとしより夫婦とつれ小児こどもなり。人々は町のことのみ語りあえり。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「われもよくは知らず、十六七とかいえり。うみの母ならでさだかに知るものあらんや、哀れとおぼさずや」翁はとしより夫婦が連れし七歳ななつばかりの孫とも思わるるを見かえりつついえり。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)