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老人
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としより
ふりがな文庫
“
老人
(
としより
)” の例文
空家
(
あきや
)
へ残して来た、黒と灰色との
斑
(
まだら
)
の毛並が、
老人
(
としより
)
のゴマシオ頭のように
小汚
(
こぎた
)
ならしくなってしまっていた、
老猫
(
おいねこ
)
のことがうかんだ。
遠藤(岩野)清子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
老人
(
としより
)
に
子供
(
こども
)
だから
馬鹿
(
ばか
)
にして
思
(
おも
)
ふやうには
動
(
うご
)
いて
呉
(
く
)
れぬと
祖母
(
おばあ
)
さんが
言
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
たつけ、
己
(
お
)
れが
最
(
も
)
う
少
(
すこ
)
し
大人
(
おとな
)
に
成
(
な
)
ると
質屋
(
しちや
)
を
出
(
だ
)
さして
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
舌長姥 (時に、うしろ向きに乗出して、獅子頭を
視
(
なが
)
めつつあり)
老人
(
としより
)
じゃ、当
館
(
やかた
)
奥方様も御許され。見惚れるに無理はないわいの。
天守物語
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
病める
老人
(
としより
)
の用しげく
婢
(
おんな
)
を呼ばるるゆえ、しいて「わたくしがいたしましょう」と引き取ってなれぬこととて意に満たぬことあれば
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
わしがこんなことを言つてわざと
老人
(
としより
)
ぶつてゐるのだとお思ひかも知れんが、どうしてどうして、口に一本の歯も無くなつた今日
ディカーニカ近郷夜話 後篇:01 はしがき
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
▼ もっと見る
「それでもどうやら気が付いたらしい。いかにもあの時の船頭だ。……お前あの時罪もねえ可哀そうな
老人
(
としより
)
を締め殺したっけのう」
三甚内
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「驚いた
老人
(
としより
)
だ。酒も強いが、何ていう芸人だろう。してみると、俺などは、
極道
(
ごくどう
)
にかけると、まだまだ
嘴
(
くちばし
)
が青いのかも知れねえ」
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其夢といふのは
恁
(
か
)
うで。——村で誰か死んだ。誰が死んだのか解らぬが、何でも
老人
(
としより
)
だつた様だ。そして其葬式が村役場から出た。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
加藤の家の
老人
(
としより
)
夫婦の物堅い気楽そうな年越しの
支度
(
したく
)
を見て、私は自分の心までが
稀
(
めず
)
らしく正月らしい晴れやかな気持ちになった。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
これはお
老人
(
としより
)
が何かの楽しみになさるようにいって差し上げて下さいと、老人に下されたので、
年寄
(
としより
)
も非常な喜びでありました。
幕末維新懐古談:75 不動の像が縁になったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
その
老人
(
としより
)
に逢わしてくれと云うんで、その時そのお二方は、手前とこまでお訪ね下すったが、私は外へ出ていてお目に掛りませんでした。
躯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「茜さんとおっしゃるか。……こういう
老人
(
としより
)
が来たからは、もう、何も心配はいりません。立派な赤ちゃんを生んで、お手柄をなさいよ」
キャラコさん:11 新しき出発
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
医者は
老人
(
としより
)
に
了解
(
のみこ
)
めるやうに話すには、なか/\骨が折れた。大抵の真理といふものは、
老人
(
としより
)
のためには拵へてない場合が多かつたから。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
殊に先々代の
女將
(
おかみ
)
は聲が美しく、
天滿
(
てんま
)
村のきりぎりすと呼ばれて、村の
老人
(
としより
)
の中には今でも其の美しい
聲色
(
こわいろ
)
をつかふものがある。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
敵
(
かたき
)
イ
打
(
ぶ
)
たせるって是迄丹精したものを、お
前
(
めえ
)
がフッと行ってしめえば、跡は
老人
(
としより
)
と子供で仕様がなえだ、ねえ困るから
何
(
ど
)
うか居てくんなよ
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
老人
(
としより
)
はにやにや笑つて答へないが、若者の一人が眞面目くさつて考へこみ、多少ためらつた末に「そりや、ごつつおうの方がええ」と答へ
癩
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
福岡の方では今度のことを言ひがゝりにして、だから
老人
(
としより
)
に子供を任せては置けない、三人とも
此方
(
こちら
)
へ寄越せと
酷
(
きび
)
しく云つて來るんだらう。
孫だち
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
野田
(
のだ
)
で
卯平
(
うへい
)
の
役目
(
やくめ
)
といへば
夜
(
よる
)
になつて
大
(
おほ
)
きな
藏々
(
くら/″\
)
の
間
(
あひだ
)
を
拍子木
(
ひやうしぎ
)
叩
(
たゝ
)
いて
歩
(
ある
)
く
丈
(
だけ
)
で
老人
(
としより
)
の
體
(
からだ
)
にもそれは
格別
(
かくべつ
)
の
辛抱
(
しんぼう
)
ではなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「ほツほ、何を長二、言ふだよ、
斯様
(
こんな
)
老人
(
としより
)
をお前、
弄
(
なぶ
)
るものぢや無いよ、其れよりも、まア、
何様
(
どんな
)
婦人
(
ひと
)
だか、
何故
(
なぜ
)
連れて来ては呉れないのだ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
僕はこの気分に乗り移られるたびに、若い時分が突然
老人
(
としより
)
か坊主に変ったのではあるまいかと思って、非常な不愉快に
陥
(
おちい
)
る。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
頼りにする者が多勢あるぞなし……行く行くはお前様の厄介に成ろうと思って、こうして働けるだけ働いている
老人
(
としより
)
もここに一人居るぞなし……
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
行列の
側
(
そば
)
にウロウロしていたのが悪いと云えばそれまでですが、
老人
(
としより
)
が倒れたのを見れば、一言位挨拶があっても然るべきではありますまいか。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「
朝起
(
あさおき
)
は
老人
(
としより
)
のくせさ。お前たちこそ今日は珍らしく早起をしたもんだな。それとも
昨夜
(
ゆうべ
)
の幕の引っ返しという図かね。」
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
一
度
(
ど
)
汝
(
そなた
)
に
逢
(
あ
)
って
置
(
お
)
かうと
思
(
おも
)
って、
今日
(
きょう
)
はわざわざ
老人
(
としより
)
の
姿
(
すがた
)
に
化
(
ば
)
けて
出現
(
で
)
てまいった。
人間
(
にんげん
)
と
談話
(
はなし
)
をするのに
竜体
(
りゅうたい
)
ではちと
対照
(
うつり
)
が
悪
(
わる
)
いのでな……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
馬はやみくもに駈けたばっかりだ、おいらはそれを追っかけて来たばっかりなんだ、
老人
(
としより
)
子供
(
こども
)
の一人にだって、怪我あさせたわけじゃあねえんだ。
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
(わが刀を見る。)鍛へは
國俊
(
くにとし
)
、家重代……。先祖はこれで武名をあげたと、
老人
(
としより
)
共からたび/\聞かされたものだ。
箕輪の心中
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
其翌日男
真面目
(
まじめ
)
に
媒妁
(
なこうど
)
を頼めば吉兵衛笑って牛の
鞦
(
しりがい
)
と
老人
(
としより
)
の云う事どうじゃ/\と云さして、元より
其
(
その
)
支度
(
したく
)
大方は出来たり、善は急いで
今宵
(
こよい
)
にすべし
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
わしの所じゃ、
老人
(
としより
)
夫婦で泥鰌一匹捕ることやてできやせん。食べるものは、もう何にもなしになってしもうた。
義民甚兵衛
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「オオ、そうじゃったナ。いかに大声を出しても、言葉は通ぜぬのじゃったな。エイッ、世話のやける
老人
(
としより
)
じゃ」
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
不埒
(
ふらち
)
な奴だ、
他
(
ひと
)
に意見をしなくてはならない
老人
(
としより
)
が、不義のとり持をするとは、なんだ、何もかも判ってるぞ」
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
九十歳のお
老人
(
としより
)
のあなたが、海を越えてはるばるアメリカに来られ、そして私どものホテルに泊って下さった。
お蝶夫人
(新字新仮名)
/
三浦環
(著)
そうすると又、妾の頭を担いでいた男が、
老人
(
としより
)
みたような咳をゴホンゴホンとしながら、こんな事を云ったの。
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
私の父の
乳母
(
めのと
)
をしておりまして、今は
老人
(
としより
)
になっている者の家でございます。東山ですから人がたくさん行く所のようではございますが、そこだけは閑静です
源氏物語:04 夕顔
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
マウパツサンの墓が見附からないので広い墓地を
彷徨
(
うろつ
)
いて探して居ると、
瑠璃紺
(
るりこん
)
の皺だらけのマントウを
被
(
はふ
)
つた
老人
(
としより
)
の墓番が一人通つたので
呼留
(
よびと
)
めて問うた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
寝ていた
老人
(
としより
)
も起きて出た。万吉は猛獣のように、一人の老人と子供を負った子守女とを追いまわして、十二三間はなれた畑の中で、すべてを斃してしまった。
惨事のあと
(新字新仮名)
/
素木しづ
(著)
和女
(
おまえ
)
なんぞも家にいて毎日色々なお料理を見ているから自然とお料理を覚えるけれどもこういうお料理は病人にいいとかこの御馳走は
老人
(
としより
)
に差し上げようとか
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
私は、お前がいつもお前の
老人
(
としより
)
に愛情を持っていてくれたことを、よく知っていた。私の腰の下にこの
括
(
くく
)
り
蒲団
(
ふとん
)
を入れてくれるとは、何というやさしいことだろう。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
其時
(
そのとき
)
村
(
むら
)
の
内
(
うち
)
に
一人
(
ひとり
)
の
老人
(
としより
)
がありまして、
其塲
(
そのば
)
に
驅
(
か
)
け
付
(
つ
)
けて
參
(
まい
)
り、
錢
(
おあし
)
を
呑
(
の
)
んだと
云
(
い
)
ふ
話
(
はなし
)
を
聞
(
きい
)
たが
就
(
つい
)
ては、
私
(
わたくし
)
が
實驗
(
じつけん
)
があるから、
其
(
そ
)
れをば
何卒
(
どうぞ
)
行
(
や
)
ツて
見
(
み
)
て
呉
(
く
)
れ、
其法
(
そのはう
)
と
申
(
まう
)
すは
手療法一則:(二月例会席上談話)
(旧字旧仮名)
/
荻野吟子
(著)
(生れて老人になつて病気になつて死ぬ)どうしても其のわけが
解
(
わか
)
らない、人間が
老人
(
としより
)
にもならず、病人にもならず、死なない方法はないかと考へたが、わからないので
愚助大和尚
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
大塚の隣屋敷に広い
桑畑
(
くわばたけ
)
があって其横に
板葺
(
そぎぶき
)
の
小
(
ちいさ
)
な家がある、それに
老人
(
としより
)
夫婦と其ころ十六七になる娘が
住
(
すん
)
で居ました。以前は立派な士族で、
桑園
(
くわばたけ
)
は
則
(
すなわ
)
ち其屋敷跡だそうです。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
いう人に似合わず解らない
老人
(
としより
)
だ。それだからあなたは子に不孝な人だというのだ。生きとし生けるもの子をかばわぬものはない、あなたにはわが子をかばうという料簡がないだなあ
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
こんな宿命的な
考
(
かんがへ
)
にも誘はれた。私は急に
老人
(
としより
)
じみた心持を
懐
(
いだ
)
くやうになつた。
愛は、力は土より
(新字旧仮名)
/
中沢臨川
(著)
如何
(
どう
)
して
此様
(
こん
)
な
老人
(
としより
)
じみた心持になったものか知らぬが、
強
(
あなが
)
ち苦労をして来た
所為
(
せい
)
では有るまい。私
位
(
ぐらい
)
の苦労は誰でもしている。尤も苦労しても一向苦労に
負
(
め
)
げぬ
何時迄
(
いつまで
)
も元気な人もある。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
その勢にこれ見そなはせ、尾の先少し
齧
(
か
)
み取られて、痛きこと
太
(
はなはだ
)
しく、生れも付かぬ不具にされたり。かくては大切なるこの尻尾も、
老人
(
としより
)
の
襟巻
(
えりまき
)
にさへ成らねば、いと口惜しく思ひ侍れど。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
これは
弘化
(
こうか
)
年度に生れて今まで
存在
(
ながらえ
)
ている
老人
(
としより
)
の
言草
(
いいぐさ
)
のように聞えます。
離婚について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
老人
(
としより
)
臭い引っ込み思案な男だろう! と、お思いになるかも知れません。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
すると、白い
髯
(
ひげ
)
をはやした一人の
老人
(
としより
)
が、とぼとぼと歩いてきました。
街の子
(新字新仮名)
/
竹久夢二
(著)
老人
(
としより
)
のくせにと私は意外に思った。山路をものの十分と行かぬうちに、後の方で声がする。振り返って見ると、老婆は店の品物でも入れたらしい大きな風呂敷包を肩にして、飛ぶように歩いてくる。
月夜のあとさき
(新字新仮名)
/
津村信夫
(著)
二日程前から病に
罹
(
かゝ
)
つて、老人はその腰の曲つた姿を家の外に
顕
(
あら
)
はさなかつたが、其三日目の晩に、あまり家の中がしんとして居ると言ふので、隣の者が行つて見ると、
老人
(
としより
)
行火
(
あんくわ
)
に
凭
(
よ
)
り懸つたまゝ
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
コエル わしは
聖僧
(
どるいど
)
コエル……
盲目
(
めくら
)
の
老人
(
としより
)
の
琴手
(
ことひき
)
コエルだ。
ウスナの家
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
“老人(高齢者)”の解説
高齢者(こうれいしゃ、Elderly)は、社会の中で他の成員に比して年齢が高い一群の成員のことである。
日本語においての高齢者について、同義語として老人(ろうじん)、年寄り(としより)、お年寄り(おとしより)などの言葉がある。また、この世代を老年(ろうねん)と称する場合がある。
(出典:Wikipedia)
老
常用漢字
小4
部首:⽼
6画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“老人”で始まる語句
老人夫婦
老人等
老人達
老人側
老人株
老人気
老人虐
老人間
老人大喜
老人雑話