“老猫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おいねこ42.9%
ろうびょう42.9%
ろうみよう14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
空家あきやへ残して来た、黒と灰色とのまだらの毛並が、老人としよりのゴマシオ頭のように小汚こぎたならしくなってしまっていた、老猫おいねこのことがうかんだ。
遠藤(岩野)清子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
宋江は居るに苦しく帰るに帰れず、ただ理性と凡情と、そして瞋恚しんいほむらに、てんめんたるまま、あやしき老猫ろうびょう美猫びびょうの魔力に、うつつをなぶられているのみだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
年久くかはるる老猫ろうみようおよ子狗こいぬほどなるが、棄てたる雪のかたまりのやうに長火鉢ながひばち猫板ねこいたの上にうづくまりて、前足の隻落かたしおとして爪頭つまさきの灰にうづもるるをも知らず、いびきをさへきて熟睡うまいしたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)