“爪頭”の読み方と例文
読み方割合
つまさき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
長の年月としつき、この私が婦人おんなの手一ツで頭から足の爪頭つまさきまでの事を世話アしたから、私はお前さんを御迷惑かは知らないが血を分けた子息むすこ同様に思ッてます。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
年久くかはるる老猫ろうみようおよ子狗こいぬほどなるが、棄てたる雪のかたまりのやうに長火鉢ながひばち猫板ねこいたの上にうづくまりて、前足の隻落かたしおとして爪頭つまさきの灰にうづもるるをも知らず、いびきをさへきて熟睡うまいしたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
紺絞りの首抜きの浴衣ゆかたを着て、赤毛布ゲットを引きまとい、身を持て余したるがごとくに歩みを運び、下駄げた爪頭つまさき戞々かつかつこいし蹴遣けやりつつ、流れに沿いて逍遥さまよいたりしが、瑠璃るり色に澄み渡れる空を打ち仰ぎて
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)